前編(妊娠前~妊娠中)の記事はこちらです。
序文などはそちらを参考いただければと思いますが、注意点だけはこちらにも同じものを掲載しておきます。以下をご了承いただいた上で読み進めてください。
この記事を読むことで、如何に現代の出産方法が、体にとっても生物としても理に適っていないものであるかを理解することが出来ます。そしてそれらが分かることで、少しずつでも本来あるべき出産方法に向かう方法が分かります。さらには現代の出産方法においても負担やリスクを最小限に留める方法を、整体的に解説していきます。
出産前のポイント
予定日を過ぎても生まれない
難しく考える必要はありません。お母さんのおなかの中が、とても居心地が良いということです。出てからの人生の方がずっと長いのですから、ゆっくりさせてあげましょう。
Point
ここまでに赤ちゃんとのコミュニケーションが取れていれば、このような時も不安になる必要はありません。ここで無理に出そうとしてしまうと、お母さんの体や赤ちゃんの要求、母子の絆などを裏切ることになり、結局はこの先苦労することになります。
無痛分娩とは
一般的には、無痛分娩に対して意見が分かれているようです。
- 痛みを伴わずに産んだ子供は、本気で愛せない
- そんな理由で、子供を愛せなくなることはない
整体ではどう捉えているのでしょうか?
- 出産も体にとっては排泄の一つであり、よって本来は “快” である
- 現代では出産という生理現象を、無理やり型にはめることで難しくしてしまっている
- 出産と同様に、毎月の生理も排泄であり、これが順調であれば出産も苦労しない
Point
生理が終わると排泄のために開いた骨盤が閉じ初め、排卵期には骨盤がぎゅっと締まってヒップアップした美しい体になります。この働きがそのまま妊娠中は、赤ちゃんを支える力になります。
そして生理が始まると、排泄するために骨盤が開いてきます。普段からこの働きがスムーズであれは、出産のときも骨盤がすんなり開いて楽に産むことが出来ます。
整体的な無痛分娩とは
前述したように、整体体操などで普段から生理も順調であれば、何もしなくても (逆に言えば何もしないことが難しい時代ですが) 無痛分娩になります。またそうでなくても、妊娠中に前編記事で紹介した 内転筋を使った骨盤挙上体操 などで働きを改善させていれば出産もスムーズです。
ではもし骨盤が硬いまま妊娠し、出産を迎えるまで骨盤を整えることをしなかった場合はどうしたら良いでしょうか?
- 骨盤に直接働きかける体操は、おなかも大きく難しい
(不可能ではありませんが、応用型になるので文章では難しい) - 誰かに股関節や足首を使って緩めてもらう方法もあるが、1回でも習っていないと難しい
- 足首を使い、自分で骨盤を緩める方法が簡単で安全
Point
前編では妊娠中の注意点として、足首を捻ったり緩める行為は赤ちゃんが下がる原因になると解説しました。逆に出産時は足首を緩めることで、骨盤の開きを改善させて赤ちゃんがスムーズに出られるようにします。方法を紹介します。
- “足首回し” や “足首揺らし” で骨盤を緩めながら可動性を改善させる
- 足湯(そくとう) で骨盤を緩める
- 足首や骨盤への 蒸しタオル法 で骨盤を緩める
b.の 足湯 や c.の 蒸しタオル法 も骨盤を緩めるのにとても良い方法ですが、可動性まで改善させる足首回しの方が効果的です。足首回しの後に、足湯や蒸しタオルを行うのもおすすめです。よってここでは、足首回しや足首揺らしのやり方を紹介します。
足首回しで安全に無痛分娩を行う
- 仰向けになり、脚の開きは体の力が抜ける角度(腰幅より広めの人が多い) とする
- 両方の足首を、内回しで回す
(このとき、なるべく大きく、ゆっくりと回すようにする) - 同様に、外回しで回す
- 回しにくい側や回しにくい方向があれば、追加して行う
- 足や足首の力を完全に抜き、足全体を内外に揺らす
足首回しの詳細に関しては、まとめた記事を参照してください。
現代の出産法では難しい理由
出産そのものに関しても、人間は文明の発達とともに、生命の営みから作業へと変わってきています。デリケートなものでもあり一層誤解を生じやすい内容になりますが、整体では決して人間の尊厳や文明や科学の尊さを否定することはありません。現状をすぐに変えないと大変になると、脅すものでもありません。ご理解いただけた方のみ、読み進めてください。
出産も排便も、体の機能としては同じ
のっけから大胆な表題になりますが、ここを避けては出産に関しての解説は出来ません。逆に言えば、ここさえ理解できれば後は容易に想像していけると思います。
- 出産も排便と同様に、いきんで体から出す行為である
- 出産が生命の奇跡と言うなら、排便も生命の奇跡である
Point
こちらは偉大な整体指導者が、やはり誤解を招かないように語ったものです。日常の体の働きや命そのものが奇跡であり尊いものであるのに、出産にのみそのような感情を持つことで出産も儀式めいてしまいます。このことに気づくだだけで、理想の出産方法は簡単に分かります。
本物の整体では、いつも生命の奇跡や尊さを意識しながら体に触れているからこそ、自然とこのような事が分かるようになります。
分娩台での出産は難しい
- いきみにくい姿勢になってしまう
- 自由に動けないので、自分の体や赤ちゃんの位置に合わせた調整ができない
いきみやすい姿勢は、体の状態により人それぞれですが、分娩台上での姿勢で力みやすい人はほぼいないでしょう。お腹が張って痛いときや便が出にくいときを想像してみて下さい。大変さは比べるべくもありませんが、少なくともいきんで出したいときに分娩台でのような姿勢は選ばないと思います。
そもそもあのように決まった角度に膝を曲げさせるのであれば、正確にその人の骨盤の開き具合に合わせないと意味がありません。膝の角度も股の開き具合も左右で異なるし、赤ちゃんが出てくるのに合わせてその角度調整も必要です。そんな複雑なことをするくらいなら、自分でいきみやすい体勢を探しながら産んだ方がはるかに効率的で産後の回復も良好になります。
決められた呼吸法では難しい
- いきみやすい呼吸のしかたは、人それぞれ違う
- 出産中も、決まったリズムでは難しい
- 前編で紹介した “深息法” をしていれば、自然にいきむことが出来る
呼吸に関しても、体勢と一緒でいきみやすい呼吸が一番です。いくら何段階かにリズム分けしたとしても、刻々と変化する状況に合わせることは出来ません。というよりも、そもそも意識するからおかしくなるとも言えます。
立ち合い人の多いイベント感覚では難しい
- どんな動物でも、出産はひっそりと行う
- 人間も、人が沢山いる前で排便や排尿しやすい人はいない
煌々と明るい中での出産は難しい
- 動物も、暗闇や木陰などを選んで出産する
- 人間も、立会人が居る中で、明るい環境では産みにくい
- 赤ちゃんが安心して出てくるために、夜明け前に生まれる
- 出産後赤ちゃんが泣くのは、いきなり明るい中に出されるから
Point
出産も排泄の一つという事に気づけば、明るい部屋で大人数の前で股を開いているのですから、如何に出産を難しくしているか容易に想像できます。ましてや医師や助産師だけでなくカメラを回した夫まで居るのですから尚更です。また夫が立ち会うことは、妊婦さんに甘えが生じることでも出産を長引かせています。
更に大切なことは、赤ちゃんはお母さんのお腹に守られながら、何か月も暗く快適な環境で過ごしてきました。それがいきなり明るくて、騒がしい中に出されるストレスは相当なものです。他の動物のように、生まれる前に近い静かな環境で産めば、本来泣くことはないそうです。
本来の出産のかたち
それでは以上を踏まえ、理想的な出産方法(と言っても余分なことをせず自然な要求に合わせた方法)を挙げていきます。
- いきみ方はリズムや手順を覚えるのではなく、事前に 深息法 でいきみ易い体にしておく
- 理想は、女性助産師のみの立ち合いで出産に臨む(病院を使う場合も最小限で)
- 特に男衆は、何の役にも立てず、甘えにもなるので立ち会わない
- 静かで安心できる部屋を使用し、明かりは暗めにする
- 妊婦さんの要求に合わせて、歩き回ったり、転がったりできる環境を用意する
- テーブルに手を付いても良いし、四つん這いでも良いので、産みやすい体勢を自由に探す
その他の出産時のポイント
逆子・帝王切開
- 本来は 妊娠する体 = 普通に出産可能な体 である
- それに則っていれば、逆子であっても普通に産める(帝王切開も不要)
- 出産の各段階それぞれが、出産後の回復などと密接に関連しており、全てに意味がある
- 会陰切開も不要(体の自然な働きを妨げ、回復を遅らせるだけ)
Point
前編の記事含め書いてきたように、現代は人の感受性が低下し、妊婦健診などの妊娠中ダメージがあり本来の形と違ってきています。また妊娠に適した体を目指すより、妊娠そのものを目的とすることで、妊娠する体=普通に出産可能な体 からも外れつつあるのかもしれません。いずれにしても現代人がいきなり完全に本来の出産を目指すのには無理があります。医師と相談の上、無理のないようにお願いします。
逆子に関しても、前編で紹介した方法で、先ずは出産前の改善を優先して下さい。
吸引・鉗子分娩、お腹を押すなど
- こちらも上項目と同様、本来不要だが現代では医師と相談しながらの判断が必要
- 出ないのであれば、逆に押し込んでみる方が、よっぽど良い
Point
整体の技術は、いつでも生きた体として意識して行います。生きた体は物とは違い、揉めば反発して硬くなろうとし(揉み返し)、背骨の隙間を開けようと引っ張れば(ヘルニアなど)余計にくっつこうとしてしまいます。
出産のときも、一度押し込むことで、出そうとする働きを呼び起こすことが出来ます。外からの力で出そうとすると、ルートや体勢が不自然になり、へその緒が絡まるなどの危険があります。これも一度押し込むことで力が一度リセットされ、体が自然に理想のルートや姿勢をつくり始めることが出来ます。
まとめとおすすめの書籍や学べる施設の紹介
まとめ
中編(出産前~出産)のまとめです。
- 予定日を過ぎても生まれないのは、お母さんのお腹の居心地が良いからで問題ない
- 出産も排便も、体にとっては同じ働きであり、どちらも命の神秘である
- 整体的な無痛分娩法として、足首を緩める方法を紹介しました
- 出産を難しくしている理由として、分娩台による機械的な体勢を解説しました
- 同じく、部屋の明るさや人のにぎやかさについて解説しました
- 本来赤ちゃんが生まれたときは、刺激を抑えてあげれば泣くことはない
- 元々持っている能力を活かした、自然な出産方法を解説しました
- 出産時の切開や吸引などは、本来不要である理由を解説しました
後編記事はこちらです

おすすめの書籍と学べる施設
左の書籍は、妊娠・出産・育児の総論的な一冊です。新品での購入は難しいですが貴重な一冊です。真ん中は記事で紹介した、深息法が解説されている書籍です。早産や逆子防止から出産時のいきみまで効果があります。右の書籍は女性に特化しており、妊娠前から体を整えていれば、妊娠してからバタバタする必要もありません。もちろん妊娠するしない関係なく、全年齢に役立つ一冊です。





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