外反母趾も、体が影響を最小限に抑えようとし続けた結果です。根本の原因や改善方法を解説していきます。

症状改善

一般的にも少しづつ、体の歪みなどに対して、その個所だけではなく全体的にとらえるようになってきていると思います。しかしそれはまだほんの一部にすぎず、外反母趾に関してもそこだけの対応に止まっています。

この記事を読むメリット

外反母趾について一般的には、合わない靴を履いた結果など、足指そのものへの直接的な力が原因とされています。当然対処法も、物理的に指を広げるなどに止まります。この記事を読むと、外反母趾の本当の原因を知ることで、体の力学や対応力の高さを理解できます。それにより根本的な改善方法が分かります。

外反母趾に対する一般的な認識とそれに対する整体的な捉え方

一般的な認識

先ずは、外反母趾の原因や対処法について、一般的な認識の要点を挙げておきます。外反母趾に関するガイドラインを基につくられたHPなどを参考にしています。

  • 成人の約30%に認められると言われている
  • 足の親指の付け根が横に飛び出し、その先が小指側に曲がった状態
  • ハイヒールが原因とよく言われるが、靴をはく男性にも多い
  • 偏平足の人は、なりやすいと言われている
  • 改善方法1:靴指導(脚を締め付ける、窮屈な靴を履かない)
  • 改善方法2:運動療法(ゴムなどを使い、親指を広げる力をつける)
  • 改善方法3:装具療法(指が開いた状態で固定される、矯正装具を使用)
  • 改善方法4:手術(骨を部分的に切除し、正常なかたちに戻す)
  • 改善方法5:薬物療法(痛みなどに対する、対処療法)

このように、偏平足など足の形が外反母趾になりやすい要因である可能性までは考えられていますが、原因としては指への外的な力が加わったためとされています。よって対処法も、指への直接的なアプローチがメインとなっています。

一般的な認識に対する整体的な捉え方

  • 体の問題は、中心~末梢に波及していく
    (例え靴の問題でも、先ず中心に影響し、そこから末梢に向かう)
  • 生きている体は、物とは違い、刺激に対し反応・反発をする

Point

つまり足指が曲がったからといって、足指だけ伸ばしても上からの影響は変わらないので再発するということです。そもそも指を広げるにしても、外からの力で広げようとすれば、反発して逆に閉じようとするのが生きた体です。このように一般的な対処法では、二重の意味で改善は難しいと言えます。更に強引に指先だけ調整してしまうと、別の箇所にもっと深刻な歪みを引き起こしたり、体の繋がりを壊すことで改善を困難なものにしてしまう可能性もあります。

外反母趾が生じる本当の原因

外反母趾を引き起こす大元は “腰” にある

  • 体の問題は、中心から始まり、末梢に波及する
  • 下半身の問題は、体の中心の中でも、腰と関連が深い

Point

腰椎のヘルニアで脚に痺れを出すことから、神経など繋がりは想像しやすいかと思います。また腰椎のアーチは、腰から上の体重を支え、動きによる衝撃なども吸収しています。ここでは単純に、腰に弾力がなくなり支える力が無くなると、その分腰より下で支えるようになるという、簡単なイメージで大丈夫です。

合わない靴やハイヒールなどが腰に影響する?

一般的に外反母趾の原因とされる、合わない靴やハイヒール、偏平足などが影響している可能性もあります。その場合のメカニズムは以下のようになります。

  • 体重や負荷を、足裏でバランスよく支えることができない
  • 全身の筋肉をバランスよく使うこともできない

Point

例えばハイヒールを履いた場合、爪先にばかり体重がかかります。そうすると常に太ももの前側に力が入るのは想像できると思います。その場合、太ももの裏の筋肉は逆に力を失っていきます。当然これらの筋肉は、腰の筋肉とも連動しているので、腰の動きや働き、腰骨の並びもバランスが崩れます。

腰の働きを低下させる原因

しかし腰の働きを低下させる原因は、他にもたくさんあります。いくつか例を挙げます。

  • リモートワークやデスクワークによる、無理な姿勢による体の歪み
  • パソコンやスマートフォン作業による偏り疲労
  • 夏の猛暑や異常気象 による、体へのダメージ
  • 食べ過ぎや夜遅い食事、ストレスなどによる体の硬直
このように、様々な原因が複雑に絡まりあって、腰の弾力や働きを低下させています。なので整体では症状に対して病名を付けることはせず、一人一人の体全体と向き合うことで、症状を改善していきます。

腰の問題が外反母趾を引き起こす流れ

体は疲れると、外に広がる

人は疲れると、以下のような体勢をとります。

  • 脚を開いて座り、寝るときも足を開く
  • 仰向けでは腕を広げ、うつ伏せでは肘を張る
  • “気をつけ” の姿勢よりも、“休め” の姿勢の方が楽

Point

体は疲れると、中心に集める力を失い、外に広がります。四肢を広げることは、その力の流れに沿った楽な姿勢になります。逆に足を組むのも、外に流れる力に対してストッパーになるため、体が安心して緩んでくれます。

外に広がった力は、どこかで内側に寄せている

  • 体が開いたままでは、中心を保てない(立ったり座ったりもできない)
  • 或いは開いたものが、一気に足まで落ちると、大きな負担になり過ぎる
  • よって必ずどこかで、中心に引っ張っている
  • 例えば腕の疲労で背中が広がったものを、腰を硬くして内に戻すこともあれば、
  • 右に広がったものを、左のどこかで頑張ることもある
とかくこの内に寄せたり、支えになっている箇所こそ、痛みなどの症状を出しやすいです。なので痛い所だけを緩めてしまうと、体が支えを失い、更に大きな不調につながることも多いです。詳しくは、痛みについてまとめた記事 を参照して下さい。

下半身に負担が掛かった場合も同様

例えば腰で支えられない重さが、膝や足首に一気に掛かると、いっぺんに関節を壊してしまいます。よって以下のように(1例であり、それぞれルートは異なります)ジグザグに引きあいながら、影響を分散していきます。

  1. 腰に支える力が無くなる
  2. そのまま仙骨や尾骨方向に重さが掛かると大事おおごとなので、股関節や太もも外側で引っ張る
  3. そのままストンと下まで落とせないので、外くるぶしから足親指の付け根に向けて引っ張る
  4. 最後もバランスをとるために、足親指を内に引っ張る
お気づきの方も多いと思いますが、このルートで力が流れた場合、膝の高さでより外側に力がかかるため、O脚の原因にもなります。また膝に偏った重さがかかり、膝の症状も起こしやすいです。それでも体により、更に重大な歪みや症状を引き起こさないように、調整を重ねられてきた結果といえます。膝が痛いからと膝をいじくりまわしたりすることは、このような働きを無視することになります。

外反母趾の改善方法

それでは以上を踏まえ、力の流れや体の働きに沿った改善方法を解説していきます。

改善させるためのポイント

  • 腰から(腰を含めて)改善させる必要がある
  • 腰を改善するには、直接腰を狙うより、足を使った方が効率が良い
  • どちらを使うにしても、双方の繋がりを意識し、力づくでは行わない
  • 整体初心者や一般の方の場合、足と腰へ同時に働きかける方法が推奨される
  • そもそも腰に負担をかけた原因へのアプローチも必要である

Point

一つ一つ解説をしていくとキリがないので、ここでは腰から足までの繋がりを感じながら行うことが大切だということだけ理解していただければ十分です。それが出来ていれば、腰に負担をかけた大元の原因まで、自然と働きかけがされるからです。

足首回しで外反母趾を改善させる

一般の方が自分で改善させるのに、一番おすすめな方法です。理由は以下の通りです。

  • 股関節や腰との連動を感じやすい
  • 足や足の指との連動を感じやすい
  • 寝て行うことで、動きが複雑にならない
  • 無理な力が掛かりにくい
  • 睡眠の前後など、気楽にできる

それでは手順を紹介します。

  1. 仰向けになり、脚は腰幅~やや広い位に開く
    (足首・膝・股関節に力が入らず、楽な状態)
  2. 両足を、かかとを軸に足首をできるだけ遠回りさせ、ゆっくり内側に回す
  3. 次は外回しで、なめらかに動かすように心がけ、遠回しにゆっくり動かす
  4. 回しにくい側、方向があれば、追加する
  5. 最後は全身の力を抜き、2~3呼吸静かに待つ

詳細は、足首回しに関してまとめた記事 を参照して下さい。また、こちらの体操が載っている書籍も紹介しておきます。豊富な写真やイラストにより、とても分かりやすく解説されています。

趾骨間(しこつかん)踏みで改善させる

  • 立位で行う方法なので、腰と繋げるために少しコツが必要
  • 慣れれば、仕事中などいつでも行えるメリットがある

こちらも手順を紹介しますが、足首回しと同じ書籍に詳しく解説されています。

  1. 壁に片手をつき、足の甲中央辺りに、逆足の踵を置く
  2. 軽く踏みながら、つま先に向けて滑らせるように、踵を移動させる
  3. 引っかかるところがあれば踵を止め、下になる足の踵を浮かせて、そこに力を集める

Point

この体操のポイントは、上の足で圧を掛けるのではなく、下の足を浮かせることで圧を掛けるところです。前者ではだだ痛いだけで、一時的にその所だけが緩むにとどまります。後者だと根本である腰まで効果が浸透するため、効果も固定されます。更に下の足の踵を浮かせるときに、腰を軽く伸ばすようにすると、よりその効果が高まります。

腰に負担を掛けた大元の原因へのアプローチ

  • 足首回しの刺激で腰が緩むように、無駄な力が入っていなければ、必要な所に勝手に響く
  • そのためには、テレビを見ながらとかしゃべりながらではなく、体を感じながら行う事が大切
  • 冷えや猛暑のダメージ、食べ過ぎやストレスの常習化などは、いくら体を調整してもキリがないのでそちらの対策も大切

Point

具体的には、例えば夏の猛暑のダメージで肺(肋骨)が硬くなり、落ちることで腰に負担を掛けることがあります。そのような場合でも、上半身の力が抜けた状態で足首回しが出来ていれば、腰だけでなく肋骨まで緩めることが出来るということです。しかし夏に就寝中も冷房を使わないなど大き過ぎるダメージには対策が追いつかないこともあります。猛暑に関する記事 や、食べ過ぎに関する記事 などを参考に生活からも改善していただければと思います。

まとめとおすすめ書籍、学べる施設

まとめ

  • 体の問題(症状)は、中心から末梢に波及していく
  • 外反母趾など、下半身の問題の原因は腰にある(腰は必ず関係する)
  • 合わない靴やハイヒールが原因であっても、先ず腰に負担をかけ、それから足に影響する
  • 生きている体というものは、無理に指を広げようとすれば、反発して閉じようとする
  • 体は疲れると外に広がり、全部広がると大事おおごとになるので、ジグザグに調整している
  • そのような体の働きに沿った外反母趾の改善方法として、足首回しと趾骨間(しこつかん)踏みを紹介しました

おすすめの書籍と学べる施設

   

左の書籍は、記事で紹介した体操が2つとも載っています。こちらは腰に特化した本なので、様々な症状に適した体操が解説されている右の書籍も紹介しておきます。

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