一般的には膝の症状に対しても、他の関節と同じように、膝を調整したり膝の動きを使った体操を指示されています。しかし膝というのは、関節の中でも動きとしては曲げ伸ばしに限定しており、下手にいじると簡単に壊してしまいます。
働きが限定されている分、本来は症状を出しにくい膝が症状を出すメカニズムや、ある臓器と関連した意外な原因について知ることができます。更に機能がシンプルな分、治療と称した外からの力や無理な体操などで簡単に壊れてしまう膝の症状に対する、安全で適切な改善方法が分かります。それにより膝だけでなく、大元の原因まで改善できます。
膝の症状に対する一般的な認識や対処法と整体的見方
膝の症状に対する一般的な認識
細かく書くととキリがないので、ネット検索したものを、ざっと挙げておきます。
- 中高年に多い膝の痛みの原因のほとんどが、変形性膝関節症という病気である
- 変形性膝関節症とは、関節のクッションである軟骨が、加齢や筋肉量の低下などによりすり減って、痛みが生じる病気である
- 激しいスポーツや転倒などによる半月板損傷や靭帯損傷も膝の関節を傷つけて、変形性膝関節症の原因になる
- 変形性膝関節症に効く3つの治療法として、運動療法・薬物療法・手術療法がある
- 運動療法には、ウォーキングや筋トレ、ストレッチなどがある
- 皮膚の表面から電気刺激を与えることで、痛みのゲートを閉ざし、その伝達をブロックして、痛みやコリを治療する方法として低周波治療がある
- 椅子に深く座り、片足ずつ水平まで持ち上げてキープすることで太もも前側の筋肉を鍛えるなど
- 薬物療法には、外用薬・内服薬・座薬などにより炎症と痛みを抑えるもの、ヒアルロン注射などがある
- 手術には、内視鏡による軟骨破片除去や軟骨表面研磨、脛骨の一部切り取りによる左右の高さ調整、変形した軟骨を人工関節に置き換えるなどがある
一般的認識に対する整体的捉え方
- 膝は曲げ伸ばしのみのシンプルな関節なので、膝自体の使い方で悪くすることはない。
- よって変形を起こすような負荷や、軟骨などがすり減るなどの原因は他にある
(スポーツで転んだり捻じるのも偶然ではなくそういう体になっている) - ということは、膝への直接的なアプローチは根本的な改善にならない
- もし膝の動きを使うとしても、力を加える焦点が膝になると余計に壊してしまう
- ストレッチや筋トレなどのトレーニングも、膝や下肢だけを意識したものでは難しい
- ウォーキングも、膝を変形させるような体のバランスのままでは、余計に歪ませてしまう
- 痛み は体からの重要なサインであり、痛みだけ止めてしまうと、大元を見つけ、大元を改善する機会を失ってしまう
- 骨の左右の高さなどが変わるのも、負担に対して、体がその都度調整してきた結果である
- それを切り取るなどして調整してしまうと、バランスをとれなくなってしまう
Point
整体では全身の力学や運動系から体を読んでいくため、部位ごとに担当を変えて診断を行う医療とは認識が異なります。そして膝はその差が著明な部位の一つです。
一例として、体には感受性があるため、外からの刺激で硬直などの反応を出します。よって整体では揉んだり叩いたりすることありません。
そして体の中でも膝は、特に外からの刺激や無理な動きに弱く、壊しやすい部位の一つです。その辺りの解説を含め、対処法まで解説していきます。
膝の症状に対する整体的な認識
運動系からみた膝の役割
ここでは取り敢えず簡単に3つ挙げ、その後それぞれのパターンごとに解説していきます。
- 膝を屈伸させることで、姿勢づくりや動作を行う
- 体重や衝撃を吸収している
- 捻じったり、体を左右に傾ける動作には使用しない
Point
このように膝は、手首や足首などの自由に動かせる関節と違い、屈伸を使った動きしかありません。よって膝の使い方が原因で症状を出すことは殆どなく、膝が痛いからと膝自体を調整しようとすると逆に壊してしまうことになります。
膝に症状を出す原因
- 腰や上半身などで支えられないものが下りてきて、許容以上に膝に負担をかけた
- 体のバランスが崩れ、偏った重さや負荷が膝にかかった
- 腰が硬くなり捻る動作ができなくなる分を、膝で捻じるようになった
Point
このように、必要以上膝に重さがかかったり、偏った負荷や捻じりなど膝の機能から外れた力が加わることで膝を壊してしまいます。
許容以上の重さが膝にかかる原因
- 腰の硬直やアーチの崩れによる、クッション性の低下
- 猛暑 や冷えによるダメージやストレス、食べ過ぎ などで肋骨が硬くなり落ちてきた
- 中毒や胃腸の問題などによる腹部の硬直、或いは逆に弛緩することで、上半身の問題や重さがダイレクトに脚に流れてしまう
- 実質的な体重が重くても上体が緩んでいれば膝への影響は少なく、痩せていても上体が硬直してダイレクトに膝に重さがかかると影響が大きい
偏った負荷が膝にかかるとはどういうことか
- 均等に負荷がかかるなら、膝関節の半月板(軟骨)で上手に吸収できる
- 偏った負荷が掛かると、軟骨の一部が集中してすり減るなどダメージを受ける
- 動きに自由度が少ない膝では、偏った負荷により腱の硬直や弛緩が起こりやすい
Point
どちらかの膝により負荷がかかる場合もそうですが、いつも太ももの前側の筋肉が張っているような人は膝も前側に影響が出ます。更に内外方向への可動のない膝関節の内外偏った負荷がかかれば、簡単に骨の変形や半月板の損傷、軟骨のすり減りなどを引き起こします。
膝を捻じるとはどういうことか
- 通常人は、腰の真ん中で体を捻じるのが正常
- それを補うかたちで、首や足首を最小限捻じる
- 腰が硬くなると、腰で捻じれなくなる
- 首や足首に負担がかかり、間もなく硬くなる
- 捻じってはいけない、膝などで捻じるようになる
(閲覧注意)膝と臓器の関係
全身は連携して働いているので、臓器と関係があるのは膝に限ったことではありません。しかし、そのうちいくつかの部位では、特に気をつけなければならない原因が隠されている可能性があります。一般的によく言われるのは、肩の痛みが心臓からの症状である可能性ではないでしょうか?これに関しても整体では、心臓に関係する背骨と肩の力学的な関係から説明されています。
そこまで緊急性があるのもではありませんが、膝の症状でも、背後に大きな問題が隠れている可能性があります。
↓ ↓ 以下、閲覧注意。 ↓ ↓ ↓
(閲覧注意)膝と臓器の関係
- 上記のように、腰の真ん中の骨で体を捻じれないと膝で捻じるようになる
- 腰椎の真ん中の骨で捻じれない = 腰椎真ん中の骨が硬直している
- 腰椎の真ん中の骨は、腎臓や泌尿器と関連が深い
- 膝に症状が出ているということは、腎臓系統にも問題がある可能性がある
(閲覧注意)膝と腎臓系統の関連に注意が必要な理由
- 腎臓系統の不調には、古傷や治りにくいものなど、厄介なものが含まれることがある
- 腎臓系は排泄や解毒などと関連するため、働きが低下すると体内に毒素や老廃物が充満する
- 毒素や老廃物は、ウイルスや細菌の温床となり、それは免疫力低下をも意味する
- よって感染症にかかりやすく、がん細胞も増殖しやすい
(閲覧注意)腎臓系と関連していた場合の対処法
- 整体は病気治しではない
- 一度病名が付いてしまうと、意識に入り込み改善が難しくなる
- 膝の症状を改善させる過程で、膝以外の問題も勝手に改善されてしまう
Point
つまり本来は、“膝の痛みには重大な病気が隠れているかも” と意識させることは整体が避けるべきことです。それでもあえて注意を促す理由は、誰かに相談されたときに、『あー膝の痛みなんて揉んでおけばそのうち良くなるよ』と安易に答えるのは良くないこともあるということだけ知っておいてもらいたいからです。
もちろん何の解決策もない状態で、この内容を知らせるのは、いたずらに恐怖心を植え付けるだけです。しかしもし膝の痛みの裏に大きな問題が隠れていたとしても、外からの力ではなく体の力で膝の症状を改善させれば、大きな問題の方も自然と改善されていきます。その方法をこれから解説していきます。
↑ ↑ ↑ ここから上、閲覧注意。上に戻るには こちら 。 ↑ ↑
膝の症状の改善方法
復習になりますが、以下のポイントが大切になりますので押さえておいてください。それらを踏まえた上での改善方法を、続けて解説していきます。
- 膝の症状の原因は腰にあり、更に腰に負担を掛けた大元の原因も他にある
- よって腰の状態を改善させることが優先だが、即効性を出すには膝も使う
- つまり腰と膝をつなげて、一緒に改善させるのが一番良い
- しかし膝を直接いじったり、無理に曲げ伸ばしすると簡単に壊してしまう
- ただし腰だから乱暴に扱っていいものではなく、体はどこでも感受性があるので、揉んだり叩いたりすると更に硬直させてしまう
腰伸ばしの体操で改善させる
腰を緩めながら、同時に膝を緩める整体体操です。名前の通り、意識は腰に持っていき、膝に力を入れないことが大切です。片脚で行う体操ですが、特に慣れないうちは、両側行うことを推奨します。順番はやりやすい側からで大丈夫ですが、痛みが酷い時は、痛くない側を先に行うと、痛い方もやりやすくなることもあります。
- 仰向けから、片方の膝を曲げながら胸の方まで寄せてくる
- 脚を天井方向に伸ばしていく
(先ずは真上に伸ばし、無理に伸ばしきらないことが大切) - 脚をゆっくり、膝を伸ばしきれるところまで下していく
- そこからは、爪先を伸ばしながら、ゆっくり下していく
(少し遠くに下すようにすると腰を感じやすい) - 床に下りても力を抜かず、踵と爪先を交互に伸ばす(2~3回)
- 逆側も同様に行う
Point
脚の重みを腰に乗せながら下してくることがポイントです。そのためには、腹筋や背筋などに力が入らないことが大切です。その他にも、整体体操には大切なポイントがいくつかありますので、初めての方は 整体体操についての記事 を一度参照しておいてください。最後まで気を抜かずに行うことで、腰に負担をかけた大元の原因や膝以外に波及した影響まで改善することが出来ます。また、文章だけでは難しいので、豊富な写真や分かりやすいイラストで解説している書籍を紹介しておきます。
蒸しタオル法で改善させる
症状がある場合には、蒸しタオル法もおすすめです。
- 症状や違和感のある所に、3~5回当てるだけ
- 簡単な方法だが、効果が高く、壊す心配もない
- 蒸しタオルによる刺激は、腰や大元の原因箇所まで伝わる
- 腰伸ばしの体操のあとに行うと、より効果がある
Point
蒸しタオル法であれば、壊れやすく、いじるべきではない膝でも直接アプローチ出来ます。かといって効果が膝だけに限定するわけでもなく、膝を弛ませる刺激が自動的に腰や大元の原因箇所まで影響して改善させます。
このように簡単で効果の高い方法ですが、やり方を間違えると効果が半減したり、全く無くなってしまうこともあるので、初めての方は 蒸しタオルに関する記事 を参照しておいて下さい。
(追記)腰伸ばしの体操の応用力の高さ
腰伸ばしの体操は、膝と腰とを引き合うことで、両者の状態を改善させるとともに連携力も復活させます。この腰伸ばしの体操の応用形ともいえる “脚を使った引き合いの体操” は、実はあらゆる症状に応用できます。
- 腰伸ばしの体操のかたちから、症状のある個所を引っ張るように、脚を下ろしていく
- 肩の症状があるなら肩を引くように、首のコリなら首を、頭痛なら痛い箇所を引く
- この場合膝は意識せず、脚に力を入れず、脚を遠くに下ろすようにすることで張力をつくり、更に脚の重さで症状の箇所をグーっと引っ張りながら床につくまで下ろしていく
Point
引き合いの技術は、脚を使うものだけでなく、腕と首など様々な組み合わせで行うことが可能です。腕であれば対象をもっと絞って、腕と目とか、腕と耳などもやりやすいです。
対してこの脚を使った場合の利点は、整体体操で効果を上げるための重要点の一つである “腰とつなげて行う” ということが自然とできることにあります。そういった意味では、整体体操初心者におすすめな体操と言えます。
応用力の高さから、一冊の書籍にもなっています。
まとめとおすすめの書籍
まとめ
- 単純な動きに限られる膝の関節は、本来痛める箇所ではない
- よって膝の症状の原因は他にあり、体の要である腰には必ず問題がある
- 更には腰に負担をかけた原因は他にある
- 膝に負担をかけた腰の問題は、他の症状も引き起こしている可能性がある
- 膝の症状の対し、膝自体での調整は、膝を余計に壊す可能性がある
- それらをまとめて改善する方法として、腰伸ばしの体操を紹介しました
- 蒸しタオル法であれば、膝に直接アプローチしながら、同時に腰や大元の原因箇所まで改善させることができる
- 腰伸ばしの体操の応用形として “脚を使った引き合いの体操” を紹介しました
おすすめの書籍と学べる施設
腰伸ばしの体操のところでも紹介しましたが、膝に症状が出るメカニズムまで分かりやすく解説されています。その他の症状のついても載っており、最初の一冊としてもおすすめです。
学べる施設



コメント