一般的には原因がはっきりしないとされる“ぎっくり腰”。再発予防法については解説されていているも生活習慣の改善が中心で、明確なイメージがつきにくく行動にも移しにくいです。この記事を読むと、ぎっくり腰についてシンプルに理解することができます。シンプルゆえに自分に合った予防・改善方法を見つけ、更に体感することまでできます。
ぎっくり腰は 腰の疲労が限界を超えたときに起こる
では腰の疲労が限度を超えるとは、どういうことなのでしょうか? 腰の疲労といっても、腰骨の疲労もあれば筋肉の疲労もあるでしょう。更に言えば疲労というのも、曖昧でイマイチはっきりしません。少し分割しながら解説していきます。
筋肉には 骨や関節を守る働きがある

- 背骨にとっては、一つ一つの椎骨の連結部分である “椎間板” 部分が 関節とも言える
- 周りの筋肉に守られていれば、背骨も自由に動くことができ、柔軟に体重や動きを吸収することができる
- そしてそれは、背骨の中を走る 重要な脊髄を守り、臓器や神経などの働きを守ることにつながる
筋肉に守られなくなると 衝撃や負荷をもろに背骨で受けることになり ぎっくり腰につながる

つまり ぎっくり腰発症の流れとしては次のようになります。
腰回りの筋肉に負担がかかる ➡ 疲労で働けなくなる ➡ 動きや衝撃から背骨を守るものが無くなる ➡ ちょっとした負荷でも背骨が衝撃を受ける ➡ ぎっくり腰を発症する
では筋肉が働けなくなる状態とはどのような状態なのでしょうか? 続けて解説していきます。
筋肉が働けなる状態=筋肉が硬い状態ではなく それを通り越して筋肉が弛緩した状態である
- よく “腰が硬い” とか “筋肉に硬くなる” ことで働きが悪くなると言われているが
- 硬くなることで背骨を守ったり、背骨の代わりに体を支えるという働きをしている状態である
- 筋肉が働けない状態というのは、硬直を通り越して弛緩した状態である
- 弛緩とはゆるんでいるのとは異なり、ほとんど力を失った状態であり
- 実際に指で押しても硬くなく、弾力や反発が無い状態である

Point
丁度よいイラストが無かったので代用しますが、実際は筋肉の狭いエリアから力が抜けていき、一つの筋肉全体が痩せたようになるのは、よほど酷くなったときです。
よって通常は “筋肉が弱いから筋トレが必要” とは別次元の、言い方として完全には正しくありませんが、簡単に言うとミクロな世界の話になります。
しかしそのぎっくり腰さえも “動くと背骨の中の神経が危ない状態だから、しばらくじっとして‼” という体からのサインであると言えます。
ぎっくり腰は 複数の体への負担が重なって起こることが多い
上述したようにぎっくり腰は、腰の疲労が限界を超えたときに起こります。もちろん一つの大きな要因により、一気に腰の力が抜けてしまうほどのダメージを受けることもありますが、多くは複数の要因が重なって発症します。いくつか代表的な例を挙げておきます。
なお、各要因による影響のしかたについては、次の章で解説していきます。
- 猛暑によるダメージを受けている人 ➡ 暴飲暴食をすることにで ぎっくり腰の引き金になる
- もともと肺が弱い人 ➡ 大きな心理的ショックを受けることで ぎっくり腰の引き金になる
- 日常的にストレスを抱えている人 ➡ 酷暑にさらされることで ぎっくり腰の引き金になる
腰と関係する筋肉の力が抜ける流れ
それではぎっくり腰の原因となる、腰や周辺の筋肉に負担をかける要因について解説していきます。なお実際はそれぞれの影響が絡み合いながら複雑に波及していますが、それらの理解が当ブログの目的ではありません。何となくでもイメージができれば、あとは誰でも簡単な方法で改善できるようになることが大切です。よってここでの解説は、複雑さを排除した、あくまでも簡易的なものの一例になります。
例1)心理的ストレスによる胃の負担が腹直筋へ波及する
当然ストレス解消のために過食することで、直接胃の疲労から腹直筋に影響することもありますが、ストレスと胃はもっと複雑に関係しあっています。

- 心理的ストレスにより、慢性的に前屈姿勢や呼吸が浅くなることで下方の肋骨が硬くなる
- 硬くなった肋骨により、胃が圧迫される
- また心理的ストレスによる頭の緊張により、自律神経の乱れから、胃に悪影響を及ぼす
- 胃のダメージは腹部全体に広がっていき、腹直筋や腹斜筋などの力も抜けてくる
例2)猛暑によるダメージやストレスで肋骨の可動性が悪くなり 連動して骨盤の動きも悪くなる

- 猛暑によるダメージやストレスにより、肋骨全体の動きが悪くなる
- 肋骨と骨盤をつなぐ筋肉や骨盤も動きも悪くなる
- 動きの悪くなった骨盤は、後ろに傾く(ヒップアップの逆)ことで更に腰回りの筋肉を引っ張って負担をかける
Point
体温を超える気温になると、体は熱を放出できなくなり、肺や肋骨全体にダメージを受けます。すると上半身の動きが悪くなり、その負担は筋肉を通じて下半身にも影響します。上半身がスムーズに動かない分、下半身で余分に動く必要があるからです。
例3)猛暑によるダメージやストレスで呼吸が浅くなり 下後鋸筋に負担がかかる

- 猛暑によるダメージで肋骨が硬くなったり、ストレスによる前屈姿勢により呼吸が浅くなる
- 呼吸と関係する下後鋸筋も伸縮しないため、やがて硬直を起こし始める
- 下後鋸筋が付着する腰椎や周囲の筋肉も硬くなる
Point
肺に負担が掛かりダメージを受けた場合は、肺を囲む肋骨や筋肉を介して波及するだけでなく、呼吸と関連する筋肉からも影響します。それが呼吸器への負担が厄介である理由の一つになっています。この辺りの詳細は 猛暑についての記事 を参照して下さい。
例1~3などにより 腰への負担が重なることで ぎっくり腰を発症する

- ぎっくり腰などの強い症状は、一つの筋肉の疲労ではなく、複数の筋肉が疲労することで発症する
- 或いはもともと腰に負担が掛かっている状態の人が、突発的に強いストレスにさらされるなど、引き金となるイベントがあったときに発症しやすい
- 正月など、食べ過ぎが引き金になることも多い
しかしもう一つ大切なことがあります。昔よりも全身を酷使することが少ない現代人が、ぎっくり腰になるほど腰に負担を掛ける原因は呼吸器への負担であり、その最大の要因は猛暑あるということです。猛暑による負担はあらゆるルートで腰に波及し、さらにそのダメージは一年を通して影響し続けます。
ぎっくり腰の予防・改善方法
先ずは “蒸しタオル法“ でゆるめることから始める

- 痛みのある個所に直接蒸しタオルをあてる方法
- 8時間ごとに行う
- 体操ができるようになったら併用して行う
(体操をして痛みが残った箇所にあてる)
Point
8時間ごとに行うのは、人の体が変化する周期に合わせることで、効果が高まるからです。蒸しタオル法は症状の箇所に蒸しタオルをあてるだけの簡単な技術ですが、手順を守ることで想像以上の効果が得られます。逆にやり方を間違えると効果が半減したり、ほとんど無くなってしまうこともあります。初めての方は一度 “蒸しタオル法についての記事” を参照しておいて下さい。
足先が動かせるようになったら “ぎっくり腰体操” で強い症状を楽にさせる
※ 手順については一言一言に全て深い意味があるので、記事の最後で紹介する参考書籍の文を、ほとんどそのまま使用させていただいております。

- 仰向けになり、つま先を前後に動かす
- つま先を左右に振る
- 片足ずつ踵をお尻の方に引き寄せてくる
- ひざを抱えてきて、左右交互に胸に引き寄せる
※ 3以降はできるようになったら少しずつやり始めるのでOK
Point
つま先を使うのは、腰から離れた部位から動かし始めることで、無理なく改善させるためです。よって “足首” ではなく、文章の通り “つま先” を意識して行って下さい。
また3番の “踵をお尻に引き寄せてくる” も、“ひざを曲げる” イメージで行うと痛みを誘発させます。こちらも文章通り、床に踵を滑らせるように寄せてくることが大切です。それでも痛みが強いときは、膝が少し浮くぐらいまででも良いので、無理のない範囲で行います。
“腰椎の捻転体操“ でぎっくり腰を予防する

ぎっくり腰を繰り返す人は、その予兆を感じられるようになりますが、そのような時の体の特徴として、原因の背骨が飛び出してくることが挙げられます。飛び出した骨が引っ込むことで、ぎっくり腰の不安から解放されます。
- あお向けになり、右手を前から上げていき、そのまま頭の横におろす
- 左のひざを床を滑らせるように、外回しで回してきて
(がに股のかたち) - そのままおなかの上を超え、内に倒していく
(体の力を抜き、膝の動きにつられて自然と腰→背中がひねれることが大切) - 左手で腰あたりの背骨をなぞり、出っ張っている骨を探す
- 左ひざを浮かせながら、後方に向かって伸ばしていく
(体が安定しないときは、接地する腕や脚の位置や角度で調整する) - 腰が自然と沿っていくので、出っ張った骨がつられて引っ込むまで伸ばしていく
(伸ばしても腰が反らないときは、ひざよりも足が高くなるよう意識する) - 引っ込んだら、浮かせた脚を、上下左右に小さく動かす
- 脚をゆっくり下ろして仰向けにもどり、2~3呼吸待って終了する
Point
捻転系は整体体操の中でもイメージしにくいので、なるべく細かく分解して解説しています。一度コツをつかめれば、他の捻転系体操もやりやすくなりますし、極めれば腰に限らずその時々の不調の箇所に合わせて改善させることもできます。
それでも文章だけでは難しいという方は、記事の最後に、写真やイラスト付きで解説されている書籍を紹介しています。いきなり本を買うのは・・・という方は、文章でもイメージしやすい 腰を強くする体操 でも同様の効果がありますのでやってみて下さい。
まとめとおすすめの書籍
まとめ
- ぎっくり腰は腰の疲労が限界を超えたときに発症する
- 具体的には、腰骨を守る筋肉が硬くなるのを通り越して力を失ってしまった状態である
- 腰を守るものがない状態では、ちょっとした負荷でもぎっくり腰を発症してしまう
- 腰を酷使することが少なくなった現代人が腰を疲労させる原因は、夏の猛暑によるダメージや過度な心理的なストレスが挙げられる
- ぎっくり腰の引き金としては、暴飲暴食にも注意が必要である
- ぎっくり腰を発症したら最初は動くこともできないので、“蒸しタオル法“ でゆるめる
- あお向けで足先を動かせようになったら、“ぎっくり腰体操“ を併用する
- ぎっくり腰の再発予防方法として、“腰椎の捻転体操“ について解説しました
- 文章でも比較的分かりやすい体操として、“腰を強くする体操“ を紹介しました
おすすめの書籍
- 体のゆがみを治して健康になる!
こちらの 書籍は発売からの期間が長く、新品での購入は難しいかもしれません。しかし記事で紹介したぎっくり腰体操が紹介されており、解説したように動き一つ一つ、言葉一つ一つにものすごい知恵が含まれています - 弱った体がよみがえる 腰の人体力学
こちらは腰のあらゆる症状の原因から改善法まで、詳細に解説されている一冊です。腰はからだの要であり他のあらゆる症状の原因にもなりますので、腰の症状に悩んでいる方でなくても一冊手元にあると役立ちます。 - 整体法3 わかりやすい腰痛講座!
こちらは発売日が1998年と古く、新品での購入は難しいかもしれません。最近のものに比べて分かりやすいイラストなどは使用されていないのですが、その分とにかく中身が濃いです。読めば読む程、新たな発見があります。まだAmazonでも状態の良い中古本が出るので、今のうちに手に入れておくことをおすすめします。



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