ジョギングやマラソンなど、走ることは体に良い? 呼吸器や腰への負担のかかり方や上手な体の使い方を解説。

河川敷でジョギングする人 体の使い方

近年、マラソン大会やイベントは増加し、有名な大会は早々に予約が埋まるほど盛り上がりを見せました。コロナ渦で大会は激減したものの、密になりにくいこともあってジョギングする人はそれ程減少していないようにみえます。それに伴い走る目的や走り方も多様化しています。

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この懐の深さも魅力の一つになっていると思います。では、走る理由として多くを占める “健康や体力づくり” はどの程度期待できるのでしょうか

この記事を読むメリット
ジョギングやマラソンなど、走ることが体に与えるメリットとデメリットが分かります。その上で、体にとってなるべく質の良い走り方ができるように、整体的な考え方から解説していきます。さらにそれらを通して、現代人の体に対する課題や、日常生活における体の使い方も理解していくことができます。

整体では、ジョギングやマラソンを推奨している?

さっそく答えを出してしまいますが、基本的には推奨されていません。ここでは理由を簡単に挙げておきます。
  • 走り方によっては良い面もあるが、良くない影響も多い
  • 異常気象により、外での運動時の体への負担が増えた
  • 整体には、走ることよりも、安全に健康になる方法がある
Pointこのように “走り過ぎが原因で不調になる人がいる” ことと、“健康が目的ならもっとリスクのない方法がある” ことが、あえて走ることを推奨しない理由であり、完全に否定しているわけではありません。

それでは、細かく説明していきます。

整体がジョギングやマラソンを推奨しない理由

負荷が強すぎると、呼吸器(肺)や、腰へのダメージが大きい

適度な運動は呼吸器や筋肉を強くしますが、強すぎたり継続する負荷は体を壊します。また睡眠による回復が追い付かず、疲労を翌日へ持ち越しながら蓄積されていく場合も同様です。ここでは主に、走り込みによる体の疲労から始まる不調の例を挙げていきます。

  • 肺や肋骨が柔軟性を失い、呼吸の働きが低下する
  • 肋骨が硬くなって落ちることで、首や肩を引っ張ったり、下半身に負担をかける
  • 腰の柔軟性が低下し、スムーズな動作ができなくなり、他の関節に負担を掛ける
  • 前傾姿勢になることで、内臓を圧迫し、肝臓や胃腸の働きが低下する
呼吸とは肺の伸縮なので、呼吸器の強さは肺の伸縮能力と言えます。医療ではレントゲンやCT、肺機能検査などさまざまな方法で調べますが、整体では肋骨の弾力で判断します。この方法では、肺の中の状態と肺機能、更には異常があるなら原因から他の器官への影響などがまとめて分かるので便利です。

近年の異常気象で、運動に適した時期が短い

近年の猛暑が始まる以前は、夏の軽い運動で気持ち良く汗をかくことで、皮膚呼吸や毛穴からの老廃物排出が活発になり、肺や心臓、腎臓などがとても元気になりました。 しかし、現在のような猛暑の中でかく汗は、肺を痛めることで、かく汗になります。そもそも熱中症の危険がありますし、「自分は暑さに強い!」と思っていても、じわじわと内臓を痛めているかもしれません。(暑さは体の感受性を鈍くするので余計に気づきにくくなります) 詳しくは、異常気象についての記事 を参照して下さい。

体が偏かたよりやすい(ゆがみやすい)

  • 偏った体の状態で走ると、偏り(ゆがみ)が強くなる
  • 無理に理想のフォームで走ろうとすると、更に複雑に偏る(ゆがむ)

体の偏りが強くなる流れの例

右の骨盤が下がったものを、右腰で支えている体を例に、走る負荷が大きいとどう影響していくか、いくつかパターンを挙げてみます。

  1. 普段から右骨盤の下がりを右腰で支えている
  2. マラソンなどの負荷により右腰で支えけれなくなり、左腰で支えるようになる
  3. 左腰も疲れ切ってしまい、右肩でも支えるようになる
  4. 上半身では支えきれなくなり、下半身にもろに負担がかかり、股関節痛や膝の痛みを引き起こす
 
体の左右どちらかに負担がかかり過ぎると一気に体を壊すので、初めから逆側で支えることも多いです。これには、体は捻じって使った方が強いという意味もあります。しかし捻じって使うのにもデメリットがあり、どこで捻じるかにより様々な症状の原因になります。例えば腰椎の一番下の骨で捻じると尿や前立腺の問題、肩甲骨内側の骨だと心臓の問題を引き起こします。ゴルフ中に心筋梗塞で運ばれる人が多いのは、腰が硬い人がゴルフをすると胸椎で捻じるためです。マラソン中に心停止する場合も、同様の理由が考えられます。

成長期の子供や、女性には、影響が大きい

  • 女性の骨盤は可動性があり、その分負荷に弱く、歪みやすい
  • 成長期の骨は柔らかく、負荷がかかると歪みやすい
  • 激しい運動は、成長ホルモンや女性ホルモンのバランスを崩しやすい
成長期の骨は柔らかく、負担がかかると歪みやすいです。例えば図のように成長するために未だ柔らかい部分に負担が掛かることで、骨の隆起や剥離が起こり、炎症・変形を引き起こします。また体を強張らせることで身長の伸びが止まることもあります。 また女性の骨盤は激しい運動などで容易に歪み、生理不順やホルモンバランスの乱れを引き起こします。詳細は 男女の骨盤についての記事 を参照して下さい。
赤ちゃんを育てる環境を保ち続けるため、女性の骨盤はとても繊細で壊れやすい性質があります。しかし一度骨盤を壊すと厄介な男性と違い、毎月骨盤をリセットするチャンスもあります。整体体操などで生理をスムーズに経過させられるようになると、いつまでも若々しく健康に過ごせるようになります。

体力向上や、からだを整えるのが目的なら、負担の掛からない方法がある

  • 整体体操 : 畳一枚のスペースがあれば、1日数分で体を整えることができる
  • 入浴法  : 体を緩める良い汗を、季節を問わずかくことができる

それでもジョギングやマラソンの利点をあげると

ストレスや余剰エネルギーの発散

現代人の不調の原因として、余剰エネルギーの問題があります。過剰な栄養や溢れる情報など入ってくるものは多いのに対し、体を動かさない仕事や生活、感情を出しにくい社会などにより発散ができません。この余剰なエネルギーが体で悪さをします。これらの発散のためには、恋をしたり、好きなことや趣味に打ち込むことが有用で、もちろん走ることも例外ではありません。ただし “健康になると言われているから” など、好きでもないのに走るのは逆効果です。
Point食べることでも何でも、現代人は体の要求に耳を傾けず、周りの情報や頭で考えたことを優先しがちです。それにより現代の日本人は栄養過多で体を壊し、ネット情報に振り回されてストレスを抱えています。体に対しての勘が鈍ることで不調も複雑化して治りにくくなっています。そういう意味では、一人で走ることの多いジョギングは、体とゆっくり会話ができる良い機会であるともいえます。
中高年女性が友達同士で食べ放題バスツアーを楽しむのも、若者が街や電車で大騒ぎするのも、余剰エネルギーの発散に対する欲求によるものです。なるべく自分の体や他人に迷惑のかからない発散方法が望ましいですが、食べ過ぎた場合は 食べ過ぎ体操 でゆるめる方法があります。恋をするのはとても良い発散ですが、韓流ドラマなどで泣いたりキュンキュンすることでも十分効果があるそうです。

肺(呼吸)の可動範囲を広げる

筋肉はもちろん、肺も一緒で、いつも一定の呼吸では伸び縮みができなくなります。深い呼吸や早い呼吸を繰り返すことで肺や筋肉が柔軟になり可動範囲も広がります。いつもと違う働きをすることで対応力もつき、何か肺に負担がかかることが生じたときの余力にもなります。

体に適度な負荷を加えることができる

適度に負荷を掛けることで肺や筋肉が強くなります。ただし強すぎる負担や、負担を常にかけていると、逆に硬く柔軟性のない肺や筋肉になってしまうので注意が必要です。

まとめと次回記事および書籍の紹介

リスクを減らし、利点を活かして走るには

  • “健康のため”とか、“体力を付けるため” など、義務感で走らない
  • 快適な時期や時間帯を選び、気持ち良く走る
  • 力を抜き、自分が楽な走り方をする(フォームを作らない)
  • 負荷が掛かりすぎない範囲で終わらせる
同じ理由で、整体では喫煙も否定していません (周りへの配慮は必須です!)。大きく体調を崩した時、一時的に喫煙を控えることで通常以上の回復力を発揮するからです。“過度な養生は不養生” といい、体を守ることを健康だと思っていると、余力のない体になってしまいます。

全身を動かす良い機会

近年では、仕事の細分化やパソコン操作など、指先や体の一部しか使わない作業が増えました。それにより部分疲労を起こし、回復しきれず偏り疲労として蓄積されることが多くなっています。更に現代では、安価なパソコンやスマートフォンが爆発的に増加しており、もはや一部の職業病ではありません。なので現代人にとって全身を使う機会は貴重です。既に不調を起こしているところを走ることで改善するのは難しいですが、予防にはなると思われます。

次回(応用編)記事

今回の記事では、整体に慣れていない方でも実践できる “体を壊さない走り方” に重点をおきました。次回は、“体を良くする” ことを目指した、整体的に “攻めた” 走り方をご紹介します。

https://seitai-life.jp/30/

おすすめの書籍

  1. DVD付 弱った体がよみがえる 腰の人体力学
    腰の症状に合わせた改善方法が紹介されている書籍です。
    上半身を支えることはもちろん、あらゆる体の動作の土台になるのは腰です。腰が良い状態であれば走る程に元気になることもできます。
  2. 今ある悩みに効く女性のための人体美学
    女性特有の症状や女性に多い症状への改善方法が紹介されている書籍です。
    繊細ゆえに負担の影響を受けやすい女性のからだですが、上手に乗りこなせ、男性以上に運動を有効活用することもできます。
  3. 人体育成学
    成長期により歪みやすい子供のからだの改善方法が紹介されている書籍です。
    激しいスポーツだけでなく、最近ではスマートフォンやパソコンの多用などにより容易に歪んでしまう子供のからだ。小さいうちから対処しておくことで、さまざまなスポーツや勉強に対する基礎能力を向上させることができます。

学べる施設

井本整体 HP “人体力学”を提唱している、本物の整体を学べる場所です。がっつり学ぶだけでなく、まずは整体に軽く触れてみたい方、自分に合った体操をオーダーメイドしてもらいたい方など、いろいろな講座が用意されています。メルマガやオンライン講座なども用意されていますので、一度ホームページを覗いてみてください。

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