日本では “整体” や “気” という言葉が普通に浸透しています。それらは先人から現在も続く努力の結晶である知恵や技術なのですが、人はどうしても楽で簡単な方に行きがちなので、都合よく改変されしまっています。それにより理解しようとしたときに、日本人より外国人の方が吸収が早いくらいです。ぜひ貴重な財産を取り戻しましょう。
本物の整体は、時間制で体をみない
施術(整体では操法と言うがここでは一般的に分かりやすいように施術を使います)の時間は、以下の理由から決めることができません。

- 体の感受性は、人それぞれ異なる
- みるべき箇所や確認するべき箇所の数は、毎回異なる
- 不調の原因となる箇所の数は、毎回異なる
- 調整すべき箇所の数や、それぞれの感受性も、毎回異なる
- 会話も心理指導なので、適度な会話量も、毎回異なる
ざっと挙げてもこれだけあるのに、○○時間と決まっているのは、明らかに本物ではないことが分かります。
本物の整体では、時間をかけるほど効果は薄まる
人の体は、調整に時間をかけるほど、以下のような弊害が生じます。

- 反応が強く出て、調子が悪くなる
- 反発して、硬くなってくる
- マンネリ化し、体が変わらなくなる
- 受ける側の集中力が持たず、行う側の独り相撲(力ずく)になる
よって長時間施術を売りにしていたり、時間が長くなるほど料金が上がるのは、本物の整体ではありません。本来は短時間で終えられるほど、料金が上がるべきです。もちろんこの記事で解説する、本物の整体の特徴を満たした上での話ですが。
Point
トップクラスの実力者では10分程度の施術時間、30分以内であれば及第点という感じです。それ以上かかるようだと、未だ実力が付いていないと判断されても仕方ないかと思われます。しかしそれでも揉んだり摩ったりする施術よりは、遥かに体にとって利益割合の多く、貴重な存在には違いありません。
本物の整体は病気治しではない
もちろん “病気を治す” と言うこと自体が医師法違反なのですが、それだけではありません。整体の真意は以下の通りです。
- 病気や症状がある箇所よりも、“なぜそこに出たか” を探ることが大切
- 大元の部分を調整することで、 根本から体を変えていく
よって、○○が治りますとか、○○病が改善しますなどと明記していたり、言ってくるのは本物の整体ではありません。また症状や病名を伝えたときに、そこしか診なかったり、施術をしない場合も同様です。
本物の整体は、部分部分で体をみたり施術を行わない
理由は以下の通りです。
- 症状のある個所と、原因となる箇所は異なる
- 体は複雑に絡み合って働いているので、不調もあちこちに影響する
- 原因となる箇所を直接調整するより、離れた箇所から刺激を飛ばした方が効果が大きい
- 調整した箇所が戻らないように、他の箇所に刺激を与えてギプスの役割をさせることがある
- 施術が無事に終わったか、首や頭部は必ず確認しないと安心とは言えない
よって、○○コースがあったり、体の一部しか施術しない、首や頭部の確認を行わない場合は、本物の整体ではありません。
Point
首や頭部の確認は、施術が成功したかの判断だけでなく、症状が重い人がこの後大事を起こさないかの念押しなど、とても大切な作業になります。しかし、感受性の高い箇所なので、例え観察だけでも細心の注意を払って行う必要があります。下手に触られるくらいなら、観察されないほうがまだましです。
本物の整体では、首を直接調整することは、ほとんど無い
首を簡単に調整しようとするのは、本物ではないを通り越して、とても危険な行為です。理由は以下の通りです。

- 首が直接の原因になることは、ほとんど無い
- 首を直接調整するのは、日本トップクラスの実力者でも慎重にならないと危険
- 首は観察をするところであり、調整する箇所ではない
- 万が一調整する場合も、非常に丁寧かつ短時間で行う
なので、ちょくちょく首をいじったり、ボキッとやったりするのは本物の整体ではあり得ません。また、しゃべりながらとか他の患者さんと並行してなど、片手間で安全に調整が出来る箇所では決してありません。
本物の整体では、頭部や膝の調整には慎重になる
頭部の調整
頭部も首と同様に感受性がとても高い箇所ですが、首とは違い頭部は調整するべきことが多い箇所になります。しかし壊さないように、最新の注意を払って行います。具体的には、両手で包み込むようにして、圧力を掛けず、かつブレないように安定させた状態で行います。絶妙なバランス感覚が無ければ、簡単に体を壊してしまいます。また時間をかけると硬直を起こさせてしまいます。なので、丁寧かつ短時間に行う技量が必要になります。
Point
もし乱暴な感じがしたり、違和感を感じたら、やめてもらった方が安心です。時間の長さを感じた場合も同様です。首や頭部は特に “感じながら調整すべき箇所や圧度を判断する” べきなので、決められた順番で指圧されるような時も注意が必要です。
膝の調整

膝は曲げ伸ばしをするだけの関節であり、捻じる関節ではありません。なので膝を調整しようとして捻じることで、完全に壊してしまうことがとても多いです。こちらも整体では調整することがありますが、壊さないように慎重に行います。下手なうちは足首や股関節を使って調整する方が安心です。
Point
そもそも捻じらない関節である膝は壊れにくい関節です。膝を痛めるのは、腰で支えられなくなった重さを受けるか、腰や股関節が硬くなって捻じれなくなった分を膝で捻じるようになった時です。つまり膝の症状は、膝が原因ではなく他にあるということです。その点からみても、膝の症状は他の箇所での調整が有効なことが分かります。
詳細は 膝の症状についての記事 を参照して下さい。
揉んだり引っ張ったりするのは、整体ではない
整体では、人を “生きた体” として扱います。すると以下の理由から揉んだり引っ張ったりすることはありません。
- 生きた体は、引っ張れば、逆に縮もうとしてしまう
- 生きた体は、揉めば、逆に硬くなろうとしてしまう
よって、椎間板ヘルニアがあるからと引っ張ったり、硬い所を揉んだりするのは、本物の整体ではありません。
Point
では本物の整体ではどうするかというと…
- 硬い所は、更に硬くさせ『もうこれ以上硬くなれないよ!』となって、ゆるもうとする力を利用してゆるめる
- ただし施術者の力で硬くさせるのでは意味がなく、相手の力で硬くさせることが大切
その他にも。。。
ベッドを使うのは、本物の整体ではない

- ベッドだと施術が腕力になり、相手の中に響かず力も浸透しない
- 結果表面をいじくりまわすことになり、反応が強く出るだけで終わってしまう
白衣で行うのは、本物の整体ではない
正統な整体では創設時から、袴やスーツで行っています。それは相手の命に対して “礼を尽くす” という意味合いもあります。
必要以上にしゃべるのは、本物の整体ではない

必要以上(心理的指導を目的とする以外)にべらべらしゃべるのは、施術の効果を薄める原因にしかなりません。もちろん患者さんがしゃべりだす雰囲気や施術の流れをつくる施術者が未熟なのですが、受ける側も施術中は自分の体と向き合う姿勢が大切です。施術の長さより余韻の方がずっと大切なので、終わった後もおしゃべりなどは最小限にしましょう。当然施術者側からべらべらしゃべってくるような場合は、施術の効果も望めません。
安売りをするのは、本物の整体ではない
もちろん “本物” が忘れられ、安さと時間を売りにした自称整体が乱立し、マッサージなど他の施術ともごっちゃになっているなか、本物の整体で成功するのは簡単ではありません。しかし施術料金を低く設定したり下げてしまうと、以下の弊害が生じます。
- 患者さん自身に、本気で体を治そうという勢いが無くなってしまう
- サービス業になり、“自分の体は自分で治す” という整体の趣旨から逸れてしまう
- 本気で体を良くしようと思っている人より、マッサージ感覚の人が集まってしまう
Point
結果、施術者ばかり必死になり、相手の体は根本から変化しないという悪循環に陥ってしまいます。本来は整体を受けにくるついでに、手紙を投函するという行為だけでも気が集まりにくくなると言います。料金が高めの方が、施術側も受ける方も本気になり、体も変わりやすくなります。
最後に
最初の2項目だけでも、かなりの絞り込みができると思いますが、本物の整体とはどういうものか少しでもイメージできれば思い紹介してきました。
本物ではない施術を受ける弊害は体を壊す以外にもあって、例えば揉まれ続けた体は鈍くなり、本物の整体が効きにくい体になってしまいます。そういった面からも、本物の整体が広がることが望ましいです。

施術を受けるには不安がある、という方は整体体操をおすすめします。下手な施術を受けるより、よほど効果が高く、一度覚えれば一生役立つ技術です。詳細は 整体体操についての記事 を参照して下さい。
本物の整体を学べる施設と書籍
こちらの整体以外で、本物に出会ったことはまだありません。施術希望の方は、とりあえずこちらのHPから近くの施術者を調べてみることをおすすめします。各地で講習会や体操勉強会なども行ているようです。
書籍も実績が伴ってこそなので、こちらの整体のもの一択になってしまいますが、紹介しておきます。

ブログ内の記事ごとに、症状や目的に合ったおすすめの書籍を紹介しています。初めに選ぶなら、写真やイラストが多い最近のものが良いと思います。女性の方には、“人体美学” が特におすすめです。



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