整体では例え症状や体の歪みなどがあっても、定期的に熱を出せる体であれば問題はないとします。逆に症状や見た感じ歪みが全く無くても、熱が出せていない体は中が硬くて柔軟性がありません。『今までは風邪一つ引かなかったのに』と急に大病をしてしまうのがこういう体の状態です。また大きな問題を体に抱えている人に対しては、熱を出させることが一つの大きなゴールになります。

熱を上手に経過させると、一般的な常識では考えれらないほど、あらゆる症状や病気を改善します。季節の変化に対応するための熱、自力で戻せなくなるまで進行した体の歪みを整える熱、先天性疾患や持病を改善する熱など万能です。しかし現代人は熱を出し、スムーズに経過させる感受性を失いつつあります。それらを取り戻す方法を解説します。
風邪は、どういうときに引く?
体の左右差(一般的にいう歪み)が大きくなったとき

夜寝ても疲れが抜けず翌日まで持ち越すようになると、体の中で疲労の抜けない部分が出来てきます。それが一定以上蓄積されると、自力では改善できない体の左右差が生じます。そうなると体を大きく壊してしまうので、熱を出して体を正常につくり変えようとします。
Point
昔は栄養不足や畑仕事などで体を酷使したことで風邪に入りました。対して現代人は、食べ過ぎ や指先の酷使などが原因になっています。近代における仕事の細分化や、現代のスマホ操作やパソコン作業の増加による指先の酷使は、想像以上に体に負担をかけています。その一番の理由は、全身の疲労は睡眠により回復しやすいのに対し、部分的な疲労は回復が困難な点にあります。この辺りの詳細は 睡眠についての記事 で詳しく解説しています。
季節の変わり目

季節の変わり目には、次の季節に対応できるように体を調整します。この調整が上手くいかないときや、前の季節の疲労が残った場合などに風邪に入ります。1年のうちで最も体の変化が激しい、冬~春に引く大きな風邪がインフルエンザになります。
Point
通常夏は体が緩む季節で、夏風邪は良くないとされてきました。しかし近年の異常気象により、気候の激しい変化に対応すベく、季節に関係なく風邪を引くようになっています。特に夏の猛暑による負担はとても大きく、夏に硬直した体を緩めるために近年流行を始めたのが、“新型インフルエンザ” になります。
体が大きく変わるとき
持病や先天性のものなど、何か抱えてきたものがある場合、熱を出しながら改善していくことがあります。例えば整体では、おたふく風邪を “生殖器の脱皮” として生殖機能の成熟に欠かせないものとしています。近年の男女の不妊の原因などとの関連性もないと言い切れませんが、予防した場合でも熱を出しながら少しずつ成熟していくとされています。
風邪の効用
ウイルスなどへの防衛反応

これに関しては一般的にも浸透していると思います。細菌やウイルスの増殖を防ぐというものです。
細胞の正常化

これに関してもある程度浸透しているのでしょうか? 熱は悪い細胞だけを殺し、正常な細胞を活性化させるというものです。これにより体がリフレッシュされます。正常な細胞の活性化までは聞かないまでも、がん細胞を死滅させる働きなどは聞くことがあるのではないでしょうか?
体の大掃除

こちらも何となく分かるものでしょうか? 体の中の不要になったものを外に出すので、体が軽くなった感じがします。新陳代謝が行われたためです。びっしょり汗をかくので、感じやすいかもしれません。
破壊と建設

“破壊と建設” これこそが整体的に風邪を最も的確にあらわした言葉です。風邪による発熱は言わば “破壊” ですが、破壊のあとには必ず “建設” が始まり、風邪を引く前より健康体になれます。
Point
傷んだところも、完璧なバランスで新しく作り変えてしまうのですから、人が外から手を加えて何かするのとは次元が違うことは容易に想像できると思います。
理想的な風邪の経過

- 熱が出て、一気に上昇する
- 熱が下がり始め、一時的に平熱以下まで下がる
- 平熱まで戻る
Point
引き始めから平熱に戻るまでが短ければ短いほど良く、感受性の高い体と言えます。真の整体の人は風邪の引き始めから平熱まで3時間ほどで終了し、朝までかかると『一晩かかるようになってしまった』とこぼすくらいです。一般的には、成人で『一晩寝たらスッキリした』であれば優秀でしょうか。子供はもっと早く、“気付かないうちに風邪を終えていた” なんてこともあると思います。
理想的に風邪を経過をさせるためのポイント

最初に、発熱後の理想の経過と、そのためのポイントをグラフにしておきます。それぞれの詳細については、このあと解説していきます。
熱が出ている間は、多少動いてもいい
熱が出ている間 = 破壊をしている時 なので、無理をしなければ多少動いても問題ありません。昼間は働いても良いので、夜は後述する方法で熱を誘導してから早めに休みましょう。食事は食欲があるなら、消化が良いものを多少摂ってもかまいません。食べ過ぎたり、食欲が無いのに食べてしまうと、風邪の経過を悪くしてしまうので注意が必要です。
熱が出にくいときは、足湯(そくとう)で熱を誘導する
現代人は熱が出にくかったり、出始めても一気に上がらずもたもたしやすいです。なので風邪っぽかったら、取り敢えず足湯をしてみる事をおすすめします。足湯は整体法の一つで、やり方は後述します。
食べ過ぎには、風邪のどの段階でも注意する

特に熱が下がりだした以降は、食べ過ぎ厳禁です。体を一度壊し、つくり変えているときに邪魔をすることになるので、かなり厄介なことになります。
昔は風邪を引くと、おもゆなどの低カロリーのものを食べ、暖かくして寝ていました。そうやって、破壊のあとの建設を上手に行っていたのです。それが今は、薬に高カロリーの食事。これでは建設が上手くいかないのも当然でしょう。
整体法 より抜粋
熱が下がり始めたら刺激を避ける
特に平熱以下に下がっているときは、体の建設を行っている段階なので要注意です。ここで外出したり過食することは、“体を裏切る” ことになります。体は一度裏切ると、今後なかなか熱を出してくれなくなったり、出たとしてもスムーズに経過出来なくくなります。
Point
現代の社会では、熱が出ている時に休み、熱が下がったら仕事に出るというように、体の要求に対して真逆のことをやっていることが分かります。
風邪(建設)の終わりの目安は、左右の体温がそろったとき

風邪の引き始めに熱を誘導する “足湯(そくとう)” のやり方

- 熱めのお湯(子供45~46度、大人47~48度)のお湯に、くるぶしの中央まで浸ける方法
- 4~6分でじんわり汗をかいてくるのが特徴
- お湯から足を出したとき、真っ赤になっていれば終了。もし、片方だけしか赤くならない場合には、赤くなっていない方だけ2~3分を目安に追加する
参考書籍 “内臓を強くする整体法” この後紹介する書籍 “免疫力学” でも解説されています。
Point
前述しているように、風邪のきっかけは体の左右差の増大です。それにより足をお湯に浸けたときに、赤くなるまでの時間に差が生じます。
また足湯には、泌尿器系や婦人科系の問題、喉や冷えの症状を改善する効果もあります。
一つ注意点があり、他の部分浴や全身浴、蒸しタオル法との併用では互いの効果を打ち消し合ってしまいます。最低でも3時間以上はあける必要があります。
必要な時に熱を出し、スムーズに経過できる体をつくる方法
猛暑によるダメージで鈍くなった体は “C体操” でぼろはがしをしておく

現代人が体を鈍くする原因として最も多いのは、猛暑を中心とした気候変動 による呼吸器(肺)へのダメージです。そして猛暑による症状は、夏だけでなく一年を通して起こります。C体操では、硬くなった肋骨をゆるめることで、呼吸しやすい体を取り戻していきます。手順については こちらの記事 で解説しています。
食べ過ぎによるダメージで鈍くなった体は “複合体操” でぼろはがしをしておく

熱のコントロールができなくなっている体は “胸椎5番の体操” や “温浴法”で改善させておく


まとめと参考にした書籍
まとめ
- 睡眠でも回復できない部分疲労が溜まり、自力での回復が困難な段階になると、風邪に入る
- 風邪には、ウイルスへの防衛反応や細胞の正常化だけでなく、回復が困難になった組織をつくり変える働きもある
- 理想の熱の経過は、一気に上がり、下がるのも早く、子供であれば数時間、大人でも翌朝には治まるものである
- 発熱中は多少動いても大丈夫だが、逆に熱が下がり始め、一旦平熱以下に下がっている間は動かず刺激も避ける必要がある
- 風邪が終わった判断は、両脇の体温を測り、揃ったときである
- 熱が上がりきらない、ダラダラ続く場合の対処法として 足湯 を紹介しました
- 必要な時に熱を出し、スムーズに経過できる体をつくる方法として C体操 複合体操 胸椎5番の体操 温浴法 を紹介しました
記事を書くにあたって参考にした書籍
新品で手に入りやすいのは、この一冊です。新しいものなので豊富な写真や分かりやすいイラストが使われています。現代注目されている免疫についてまとめられており、免疫力の上げ方はもちろん、免疫と関係する様々な症状に対しての改善方法も紹介されています。
新品での購入は難しい書籍も紹介しておきます。こちらもかなり貴重なことが書いてあるので、機会があれば手に取ってみて下さい。



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