整体では、体が起こす症状には全て意味があり、症状だけを止めることは推奨していません。このブログでも、風邪や熱の記事 や 痒みや痛みの記事 などでその理由を解説しています。しゃっくりに関しても同じように “出るものは出せばいい” としていますが、楽器の演奏が仕事の方など、どうしても止めたい場面があるかもしれません。
しゃっくりの出る理由を知ることで、しゃっくりをむやみには止めない方が良い理由が分かります。そしてそれを踏まえた上で、いざという時には体への悪影響を最小限に抑えながら止める方法を知ることができます。更にはしゃっくりを通して、体が症状を出す理由やメカニズム、対象方法を理解していくことができます。
しゃっくりに対する一般的認識
昔は 『しゃっくりを百回したら死ぬ』や、『びっくりさせると止まる』などよく言われていました。特に前者は流石に否定されていると思いますが、現代の一般的認識を調べるためにネットで検索してみました。
しゃっくりの原因(一般的認識)
- 直接の原因は、横隔膜のけいれんである
- 元の原因1:迷走神経が延髄にある呼吸中枢を刺激して起こる「中枢性」のもの
- 元の原因2:横隔神経や迷走神経が直接刺激されて起こる「末梢性」のもの
- 元の原因3:横隔膜自体が直接刺激されて起こる「横隔膜性」のもの
一般的認識の解説が目的ではないので詳細は省きますが、要は呼吸器に関連する神経や横隔膜に関連する神経、もしくは横隔膜に直接何かあるのではないかと言われているようです。そして長くても48時間以内に止まる一般的なしゃっくりの原因はほとんど3番目の横隔膜性で、飲食時の刺激や寒暖差の大きい中での呼吸などが挙げられていました。
しゃっくりの止め方(一般的認識)
- 驚かせる
- コップの水を向こう側から飲む
- レモン汁を飲む
- 60秒間息を止める
- 耳の穴から指を入れて耳の奥を押さえる
- 舌を強く引っ張る
こちらも詳細は省きますが、やはり一般的には “何かの拍子に横隔膜がけいれんしてしまったので何とか止めよう” という対処療法に近い考え方であることが分かります。それで稀に大病が隠れているかもしれないので注意を…という感じです。
しゃっくりに対する整体的認識
それではここから、しゃっくりについて整体的に解説していきます。
しゃっくりの働き = 首の前側に力を入れさせる
しゃっくりをしている時に体に何が起こっているのでしょうか? ちょうど出ている時であれば感じやすいと思いますが、想像してみてください。ほとんどの人は、しゃっくりの瞬間首の前側に力を入れるのではないでしょうか? ほとんど と言う理由は後ほど解説しますが、ここでは しゃっくりの働きは首の前側を中心に力を入れることにある ということだけイメージできれば大丈夫です。
首の前側に力を入れさせる = 首の前側を緩ませる目的がある
生きた体というものは、刺激に対して反発する性質を持っています。マッサージによる揉み返しが起こるのもそのためです。では摩る程度の力ではどうでしょうか? しかし人の体は扇風機の微風でも硬直を起こします。では体の硬直を緩めるにはどうすれば良いでしょうか?
答えは、硬い所は一度もっと硬くするようにします。そうするとそれ以上硬くなれないので、逆に緩もうとします。
しゃっくり = 首の硬い人を緩めようとする働き
つまりしゃっくりは、首が硬いときに緩めようとする体の働きということになります。首が硬くなる原因が肋骨にある場合も多く、しゃっくりの刺激も硬い肋骨に吸収されてしまうこともあるかもしれませんが、ほとんど首の前面を硬くするのを感じると思います。
首の前側が硬いってどういうこと?
では首が硬いとはどういうことなのでしょうか?首には大切な器官や急所が沢山あります。当然後ろにある頸椎~後頭部が重要なのは言うまでもありませんが、前側にも甲状腺や副甲状腺、呼吸器や気管支の急所(簡易的に急所=神経という認識でも良い)、腎臓の急所など大切なものが沢山あります。首が硬くなったままだと、これらの働きが低下する可能性があるということです。
一般的認識と整体的認識の違いまとめ
ではここで一度、両者の認識についてまとめておきます。
一般的認識まとめ
- しゃっくり原因の多くは、刺激物の飲食や急に冷たい空気を吸うなど、直接横隔膜を刺激することで起こる。予防はそれらを防ぐことである。
- 稀に横隔膜や呼吸に関連する神経に問題が生じている可能性があるので、何日も止まらないような場合は病院での精査が推奨される。
- 通常のしゃっくりを止める方法は、横隔膜や呼吸、迷走神経などに刺激を与えることで平常の状態に戻ることがある。
整体的認識まとめ
- しゃっくりは首の硬直を緩めるための働きである。
- 首の硬直により重要な器官や神経の働き低下の可能性があるが、しゃくりで緩めようとしてくれているので止めない方が良い。
Point
このように体が無駄なことをしないことを知っている整体では、どんな症状であってもシンプルに対応していくことが出来ます。当然法律でも認められていませんが、複雑な病名を付けたり治療をするというような必要がないのもそのためです。
しゃっくに対処する方法
では最後に、しゃっくりに対する対処方法を解説していきます。
放っておいて治まるのが最善
もちろん整体には、強引なやり方ではなく、体の要求や流れに沿った方法で改善させる方法もあります。しかしそれでも、外からの力ではなく自分の体で治すことが一番です。
しゃっくりを直ぐに止める方法
散々脅かすようなことを書いてきましたが、しゃっくり程度であれば、何かの発表会の前など、やむを得ない場合に止めるのは良いと思います。ただ毎回止めてしまい、首を緩める対処をしない場合は、やがて大きな症状につながる可能性もあるので程ほどに使うことをおすすめします。
ちなみにこの方法は二人で行う方法です(しゃっくりが出ていない方が主導権をとる方がスムーズ)。一人でも出来るかやってみたいと思うのですが、整体体操などで体が緩んでからは一切しゃっくりが出なくなってしまって試せていません。
- ズッコケても危なくない所に、しゃっくりが出ている人と向かい合って立つ
- 相手(しゃっくが出ている人)の額に、自分の効き手を当てる
- このとき、相手の前進を受け止めるため、肘は曲げ、体は非利き手側に体一つ分よける
- 自分の体勢をきめ、相手に額で自分の手のひらを思い切り押してもらう
- 数秒間耐えてから、手のひらを “ぱっと” 離す
Point
額で押している間に、首に力がどんどん集まって硬くなり、ぱっと手のひらを離されることで一気に緩みます。しゃっくりが出ている本人が知らない方が、無駄な力が入らず首にだけ力が集まるので成功しやすいです。ただ驚かしたり不意を突くこと自体が目的ではないので、本人が他の人に支え役をお願いしたり、一人でも出来るのでは?と思っています。
しゃっくりが必要ない体にする方法
これには明確な方法はありません。逆に言えば、どんな方法でも体が緩めば、首も緩みます。その理由も含めて、しゃっくりが必要なくなる方法を解説していきます。
首を直接調整するのは良くない
- 首は観察をする箇所であり、調整する箇所ではない
- 例え首に症状が出ていても、原因(根本)は他にある
- 首をいじると (揉んだりボキボキしたり)、容易に壊してしまう
蒸しタオル法で首を緩める
もし実際に首が凝るなどの症状があるのであれば、蒸しタオル法が安全で効果が高いです。その理由は、以下のようになります。
- 熱刺激により、体が自ら力を集めるので首であっても壊す心配がない
- 単純な熱刺激による効用だけでなく、冷めていく過程により効果を持続させる力まで呼び起こされる
- 首を緩ませながら、大元の方にまで刺激が流れて根本からの改善が見込まれる
蒸しタオル法は簡単で効果の高い方法ですが、やり方を間違えると効果が半減したりほとんど無くなってしまいます。なので初めての方は、まとめた記事や書籍を一度参照しておいて下さい。
良い汗をかく
良い汗をかくことは、以下の理由で首を緩めることにつながります。
- 汗をかく = 老廃物を出せる = 腎臓を助ける = 腎臓と関連の深い首も緩む
- 汗をかく = 皮膚呼吸が活発になる = 肺(肋骨)が緩む= 首を安定して支えられ
Point
実際、普段から良い汗をかけている人は、喉の皮膚がきれいです。また汗には良い汗と良くない汗があるので、こちらも初めての方は、まとめた記事を参照してください。
まとめとおすすめ書籍と学べる施設
この記事のまとめ
- しゃっくりは、首の硬直を緩めるための働きである
- 首には重要な器官や神経があるので、しゃっくりを無理に止めない方が良い
- 通常のしゃっくりであれば、いざという時は止めるのも仕方ないが、多用は勧めない
- いざという時、直ぐにしゃっくりを止める方法を解説しました
- しゃっくりが必要なくなる方法として、蒸しタオル法を紹介しました
- しゃっくりが必要なくなる体質にする方法として、汗について解説しました
おすすめの書籍と学べる施設
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