水分の問題に限らず、現代では、薬でも栄養でも、足したり加えることに躍起になっています。しかし体というものは、スポンジを水に浸せば吸収するというように簡単にはいきませんし、逆に悪さをすることもあります。
この記事では、乾燥が体に及ぼす影響や乾燥に弱い体の特徴を解説していきます。その上で乾燥の季節の過ごし方や、乾燥に対する適切な対応方法を紹介します。更には一番大切な、適度な水分を体内に蓄えることができる、乾燥に強い体づくりまで知ることができます。乾燥は冷えとも密接な関係があり、冷えの改善にもつながる内容になっています。
一般的な乾燥予防法に対する整体的な見方
一般的な予防・対処法
ネット検索したものを、ざっとですが挙げておきます。
- 入浴剤を使用し、肌を擦り過ぎず、入浴後の保湿クリーム
- 加湿器使用や加湿成分が含まれたミスト化粧水などの携帯
- 十分な睡眠とバランスのとれた食生活
- ボディークリームやボディーミルク、保湿剤による日常的なケア
一般的な予防・対処法に対する整体的な見方
- 入浴はお湯に浸かること自体に効果があり、入浴剤などは不要
- 入浴によりせっかく開いた毛穴を、保湿クリームなどで塞ぐのは勿体ない
- 加湿器などによる人工的な加湿では難しい (注意事項あり)
- 皮膚は神経的なものとも関連が深いので、質の高い睡眠は効果がある。ただし、長すぎる睡眠は他の弊害がある
- ボディークリームなどは、毛穴を塞ぎ呼吸器に負担がかかる。染み込むなら今度は排泄が必要なので肝臓や腎臓に負担がかかる。また外から与えられると、体は自分で潤す必要がないと判断する
Point
皮膚には余分なものがなく、毛穴が自由に働ける環境が一番です。また外から水分を補った場合、水分を蓄えられない原因はいつになっても改善せず、逆にその働きを放棄してしまいます。なので外からの手助けは最小限にして、体自身の働きで潤った肌を保つことが大切です。
またひび割れやあかぎれの場合も、整体では保湿剤の使用などは推奨していません。かなり酷い場合に限りクリームを塗ることがありますが、あくまで関係する体の箇所を緩めた上で行います。
乾燥に対する整体的な見方
乾燥が体に及ぼす影響
- 皮膚の乾燥
- 肺の乾燥による呼吸機能の低下
- 体の冷え
- 痰の増加
Point
肺は空気の乾燥による影響をダイレクトに受け、柔軟な収縮性や免疫性を失ってしまいます。また体の水分は体の冷えを緩和する働きもあるので、水分が減少することで寒さにも弱くなります。また高齢者の方が主になりますが、痰が増加する原因に乾燥が関係しています。
乾燥に弱くなる原因
- 水分保持能力の低下
- 働きの低下した箇所がある
Point
このように、根本的に体全体の水分調整が上手くいっていない場合と、元々働きが低下していて乾燥に弱くなっている部位がある場合の2つに分けて考えることができます。
水分保持能力が低下する原因
それでは先ず、体の水分保持(調整)能力が減少する原因から解説していきます。
Point
体の水分調整を行う急所は、汗の急所でもあります。更にその近くには、肺の急所や腕の急所、食べ過ぎの急所もあります。よって体が緩む良い汗をかかなかったり、腕や肺、胃への負担による影響が水分調節の急所にも波及し、水分保持能力も低下させてしまいます。
またペットボトルというものが普及し、いつでも水分を摂るようになったことで、体が水分を保持する必要性が無くなってきてしまいました。
部分的に働きが低下する理由
- 体の慢性的な部分疲労
- 臓器の疲れが表れるところ
- 保湿クリームなどの使用
Point
現代人の不調原因の多くに、仕事の細分化により、部分的な偏り疲労が朝起きても抜け切らないことが挙げられます。そういった所は、乾燥によるひび割れやあかぎれも起こしやすくなります。また運動系の疲労だけでなく、唇は胃の疲れ、指先は心臓の疲れなど、臓器の疲労が部分的にひび割れなどを起こすこともあります。
保湿クリームなどの使用は、毛穴を塞ぐことでその部分の働きを低下させたり、潤す働き自体を不要としてしまうことがあります。
乾燥に対する整体的な対処法
夏の猛暑を中心とした異常気象を上手に乗り切る
現代では外せない問題になります。特に猛暑の影響は一般的な認識よりはるかに広範で大きく、冬の乾燥や冷えの問題にも強く影響しています。ここでは簡単にポイントだけあげておきますので、詳細は 異常気象や猛暑に関する記事 を参照してください。
- 高温や多湿の中でかく汗は、肺を壊しながらかく、良くない汗である
- 夏場でも体が緩む良い汗をかくには、入浴による汗がおすすめである
- 汗で体を緩めた後は、冷房の効いた部屋でゆっくり過ごし、特に就寝前から起床までは冷房を止めない
濡れタオルで室内を加湿する
温かく、塩気のある水分を摂る
- 冷たい飲み物では、体が吸収しにくい
- 熱中症時の飲み物同様、適度に塩分を含む方が吸収しやすい
Point
塩分を含む飲み物というと、温めたスポーツドリンクなど飲み慣れないものが多いですが、スープであれば摂りやすいと思います。
胸椎5番の体操”で水分調整の急所を緩める
水分調整の急所は、肩甲骨の真ん中の高さにある椎骨にあります。ここは胸椎の上から5番目の骨にあたり、ここを緩める体操を “胸椎5番の体操” と言います。手順及び参考書籍については、汗に関する記事の中 にあるので、そちらを参考してください。
そこでおすすめになるのが、簡便で効果の高い “蒸しタオル法” や “温浴法” になりますので、このあと紹介していきます。
しかし 整体体操 を一つでもマスターしておけば、様々な症状に応用が効きく素晴らしい技術になります。このブログでも少しずつ紹介していきますので、自分に合った体操を見つけていただければ幸いです。
蒸しタオル法で水分調整の急所を緩める
熱湯や電子レンジで温めた蒸しタオルを、肩甲骨の間に当てるだけの簡単な方法です。ここでは手順だけ紹介しておきますが、やり方を間違えると効果が半減したり、ほとんど無くなってしまうので、初めての方は一度 蒸しタオル法についての記事 や 書籍を 参照しておいてください。
- 前後3時間は、運動や飲酒、入浴をしない時間帯を選ぶ
- 電子レンジや熱湯で、タオルを少し熱いと感じる程度に温める
(タオルはたっぷり濡らしてから軽く絞った状態) - 両肩甲骨の間にあて、その部分に力が集まるのを感じる
- タオルは冷めていくが、その部分に集まった力を残そうとする働きを感じる
- ある程度冷めたら、なるべく早くタオルを温めなおして当てる
(温めなおしているあいだ、あてた所の水分を拭き取っておくとなお良い)
2.→ 5.の手順を3~5回 繰り返し、赤くなったら終了します。終了後も水分をしっかり拭き取り、冷やさないように注意してください。
※ 参考書籍はこちらです。
温浴法で水分調整の急所を緩める
- 上述 したように、水分調整の急所 = 汗の急所 である
- ということは、体が緩む良い汗がかければ、水分調整の急所も緩む
Point
“良い汗” と表現するからには、もちろん体にとって良くない汗もあります。良い汗がかける “温浴法” のついても、汗についての記事の中 にあるので、初めての方はそちらを参照してください。
食べ過ぎに対処する
こちらも詳細は 食べ過ぎについてまとめた記事 を参照していただければと思いますが、ここでは簡単にポイントを挙げておきます。
- 上述 したように、調整の急所は、胃(食べ過ぎ) の急所に隣接している
- よって食べ過ぎにより、水分調整や水分保持が上手くいかなくなることがある
- 食べ過ぎといっても、個人差が大きく茶碗に半分でも食べ過ぎになることもある
- 寝る前や夜遅い食事も、同様の負担を引き起こす
Point
食べ過ぎの症状に対しては、食べ過ぎ体操 という整体体操があります。食べ過ぎが原因の場合はもちろん、そうでなくても連動して水分調整の急所も緩ませることができます。
皮膚や唇の乾燥、痒み、ひび割れ、あかぎれなどに対して
- 皮膚の乾燥や痒み ➡ その箇所に 蒸しタオル が推奨(詳細は 痒みに関する記事 )
- 唇の乾燥 ➡ 消化器と関連がある( 食べ過ぎの項 参照 )
- 足のひび割れ、あかぎれ ➡ “足首回し” や “趾骨間踏み” をしてから 蒸しタオル や “足湯(そくとう)” を行う( 足に関する記事 参照 )
- 手のひび割れ、あかぎれ ➡ 蒸しタオル や 肘湯 を行い、酷い場合に限り初めのうちだけ保湿クリームを塗る( 肘湯についてはこちら )
まとめとおすすめの書籍、学べる施設
まとめ
- 乾燥による影響は、皮膚の問題だけでなく、肺への負担や冷えの症状増強などもある
- 部分的な皮膚の乾燥、ひび割れ、あかぎれなどは、その部分や対応する臓器への負担なども原因となっている可能性がある
- 乾燥に弱くなる原因には、猛暑による肺への負担や、良い汗をかかない生活、こまめに水分を摂りすぎることなどが挙げられる
- 乾燥時期の過ごし方は、加湿器よりも濡れタオルなどで部屋を加湿し、暖かく塩気のある飲み物(スープなど)を摂ることが推奨される
- 体の水分調整機能を改善させる方法として、整体体操と蒸しタオル法、温浴法を紹介しました
おすすめの書籍と学べる施設
記事で紹介した体操や蒸しタオル法、温浴法が紹介されています。少々古い書籍ですので、初めての方は以下の書籍などもおすすめです。この記事で紹介した体操は載っていませんが、同様の効果が期待できる体操としては、“胸骨体操” や “懸垂型の体操”、“重ね重ねの体操” など、肩甲骨の動きを利用する体操があります。



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