冷え性になる最大の原因は夏にありますが、その理由は猛暑の現代とその前では異なります。またその他にも色々な原因はありますが、冷え性を引き起こす体の特徴はそれほど複雑ではありません。いづれにしても予防・改善方法は一般的に言われるより、ずっとシンプルで大丈夫です。解説していきます。
冷え性に対する一般的認識

医療系HPから引用させていただこうと思ったのですが、原因、要望・改善方法、いづれもかなりの分量になってしまうため断念しました。
ポイントだけ挙げておきます。
- 原因は血行不良
- その要因①:運動不足による基礎代謝の低下
- 要因②:栄養バランスの偏りにより、血の巡りが悪くなる
- 要因③:生理のある女性は、鉄分不足による冷え性を引き起こしやすい。また過度なダイエットが原因のこともある
- 要因④:自律神経の乱れにより、下痢、便秘を起こしやすくなり、基礎代謝が低下する(長くなるので自律神経が乱れる原因は省略)
- 要因⑤:喫煙
- 要因⑥:女性は男性に比べて筋肉量が少なく、脂肪が多い。筋肉は体温上昇の役割を果たしており、脂肪は冷えると温まりにくく冷えが起こりやすい
- 改善方法①:入浴、半身浴、運動、
- 改善方法②:陽性・陰性・中性の食品をバランスよく摂取する、体を温める飲み物を飲む
- 改善方法③:マッサージ、呼吸法、漢方薬
冷え性を引き起こす一番の要因は夏の過ごし方
猛暑の現代とそれ以前の夏とでは体への影響が180度違う
猛暑の時代は治まる気配もなく、それ以前の夏については知る必要もないと思われるかもしれません。しかし一般的には猛暑による体への影響を把握し、冷房の積極的な使用を推奨するまでにかなりの年月を要しました。対して整体では、猛暑の時代に入ると同時にその考えに至っています。よって気候変動や生活様式などが目まぐるしい変化する現代では、柔軟に対応していくために知っていて損はないと思います。
猛暑以前の夏は冷房の使い過ぎで冷え性になった

- 外で軽い運動をすることで良い汗をかき、体をゆるめることができた
- 運動をしなくても、気温の上昇と共に自然と汗をかくため、夏は病気や症状を出さない季節だった
- 冷房が普及すると、汗をかかないことで、糖尿病や喘息、リウマチ、花粉症など(当時現代病と言われた症状)が増えてきた
- またスムーズに秋や冬に対応できる体になれず、冷えや乾燥などの原因となった
猛暑が始まってからの夏は冷房を使わないことで冷え性になる

- 体温に迫り、超える気温(室温)の中では、肺やその他の内臓がダメージを受ける
- そのような中でかく汗は、体が弛む汗ではなく、肺が苦しくて出る(体を硬直する)汗である
- つまり猛暑の中では、冷房を上手く使わないと体が硬直し、様々な症状の原因となる
- また猛暑のダメージは “夏のツケ” として一年を通して症状を引き起こす
- 冷房の中に居れば猛暑から身を守れるが、もちろん体をゆるめて次の季節に備えるためには良い汗も必要
Point
猛暑以前では冷房の使い過ぎで、猛暑の現代では冷房を上手く使わないことで、様々な症状を引き起こし、冷えの問題もそのうちの一つです。このように体にとっては正反対とも言える以前と現代の夏ですが、体をゆるめるためのポイントは共通しており “良い汗をかく” ことです。
このあたりの詳細は 猛暑についての記事 を参照して下さい。
冷え性を引き起こす、その他の要因
ストレスによる影響
ストレスも現代人が抱える大きな問題の一つですが、こちらも冷えの要因になることがあります。

- 猛暑によるダメージと同様、ストレスも呼吸器(肺や肋骨)に負担を掛ける
- 同時に、心臓や肝臓にもダメージを与えることで冷えを引き起こす
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詳細は ストレスについての記事 を参照して下さい。
寒い季節に体を冷やす(体の乾燥や幼少期の習慣が原因になることも…)
もちろん寒い季節に体を冷やすことで、直接冷え性を引き起こすこともあります。
- 若い女性の薄着(ミニスカートなど)により、冷えを起こす
- “子供は風の子” という誤解から、体を硬直させながら成長してしまう
- 体が乾燥することで、体温を保てなくなる
Point
女性は足から冷えが入り、骨盤から呼吸器へと影響することが多いです。呼吸器や骨盤に負担がかかると冷えにも弱くなるため、悪循環に陥ります。
また特に昔は、冬でも半ズボンで駆け回る子供は『強い子だね!』と褒めらることが多くありました。その影響で呼吸器に負担をかけ、暑さにも寒さにも弱い体で成長してしまいます。
体の乾燥についての詳細は、乾燥についての記事 を参照して下さい。
栄養のバランスなどはあまり考える必要はない
一般的には冷え性の原因として最も詳細に解説されていることですが、整体ではあまり重要視していません。

- その時、その人に必要なものは、自然と体が欲する
- よって食べたいと感じるものを、食べていれば問題ない
- しかし *¹感受性が低下している現代人 が要求のままに食べると、食べ過ぎてしまうことが多い
- もちろん要求を無視した過度なダイエットにも注意が必要
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詳細は 食べ過ぎについての記事 を参照して下さい。
例えば胃の弱い人ほど春の山菜や秋の木の実など、消化の悪いものを好みます。周りからすれば “胃腸が弱いんだから止めておきなさい” となるでしょう。しかし胃腸の弱い人が季節の変わり目にあえて胃腸を壊すのは、一度胃腸を壊し、新しくつくり変えるという目的があります。それにより夏の暑さや冬の寒さに負けない胃腸をつくり、もちろん冬は全身に栄養や熱を届けることにもつながります。
冷え性を引き起こす流れ
末梢(手足)への血流を低下させる流れ

- 猛暑やストレスなどのダメージで、体が前屈傾向になる
- 肋骨が硬くなって下がり、肺や心臓、肝臓やリンパ節を圧迫する
- 前屈により背骨にも負担が掛かり、肺や心臓、肝臓と関連の深い椎骨が硬直する
- 手足や臓器の奥まで血液が十分流れず、熱や酸素、栄養が届かなくなる
体温を調整する機能を低下させる流れ

- 猛暑やストレスなどのダメージで、体が前屈傾向になる
- 前屈により背骨にも負担が掛かり、体温調整と関連の深い椎骨が硬直する
- 手指や足先、内臓の冷えにつながる
- また体温調整と関係する椎骨は、体の水分調整とも関連するため、体の乾燥により熱を保てなくなる

冷え性の予防・改善方法
乾燥症も冷え性の大きな原因になりますが、体の水分調整も体温調整も、どちらも胸椎5番と関連するため以下の対処法で共に改善させることができます。
温浴法により体を弛ませる “良い汗” をかく

『温浴法といっても要は入浴でしょ』を言われるかもしれませんが、症状や目的により色々な入り方があるのと、入り方によって効果が大きく変わってきます。よって精度を上げる入り方を推奨する目的からも “温浴法” と表記しています。
- 特に梅雨時期から夏にかけては、しっかりと “良い汗” をかく必要がある
- しかし梅雨時期は湿気により汗をかきにくく、夏は猛暑で “良い汗” にならない
- 季節を問わず良い汗をかくには、入浴による発汗が一番いい
- 元々汗をかける体であれば低温でも良いが、通常は42~43度程度の熱めのお湯に数分浸かり、汗をかき始めたところで上がる
Point
入浴による発汗と言っても、長時間の入浴やサウナによる発汗ではあまり良い汗にはなりません。気分転換や、普段汗をかいてなくて、なかなか汗をかけない人が “呼び水” として行う分には良いですが、最終的には熱めのお湯で、短時間で汗をかくことが望ましいです。その一番の理由は、強引に汗を出すことが目的ではなく、汗を出す働きそのもの を高める必要があるからです。
詳細は 汗についての記事 を参照して下さい。
夏は冷房を上手に使う

- 温浴法により(或いは冷房の効いた室内での軽い運動でも構わない)良い汗をかいても、その後高温の中で過ごせば体はまた硬直してしまう
- よって夜入浴し、その後は朝まで冷房の中でゆっくり過ごすのが一番いい
- 冷房の推奨温度は想像よりも低く、特に就寝中は長そでの寝間着や厚手の布団と被ってでも、22度程度を保つ必要がある
- 就寝中に一度でも冷房を切れば、硬直や疲労が翌日に持ち越して、蓄積されてしまう
Point
ここで問題になるのが正に冷え性の人で、体が冷えることを理由に冷房を使いきれません。しかし冷房を使わないことが冷え性を更に悪化させ、より冷房に耐えられなくなるという悪循環に陥ります。ではどうすれば良いか?というと、結局は自分で環境をつくるしかありません。
冷え性=循環器系統の働きが低下している人は、どうしても寒さにも弱くなります。同時に猛暑のダメージにも弱くなります。そうなると冷房の設定温度の許容範囲はどんどん狭くなり、酷くなると2~3度の幅しか無い人もいます。それをカバーするために、上記のように厚手の寝間着や布団の使用が推奨されるということです。
冬場の乾燥には濡れタオルや洗濯物の室内干しがおすすめ
加湿器による加湿は、逆に体の水分が持っていかれることがあるので注意が必要です。詳細は 乾燥についての記事 を参照して下さい。
猛暑によるダメージは “胸骨体操” で軽減させて冬の冷え予防を

体温を大幅に超えるような気温になる現代では、対策をしても完全に防ぎきるのは難しいです。そこでここでは “胸骨体操” をおすすめします。手順ついては青文字リンク先で解説していますが、ここでは胸骨体操の特徴とおすすめする理由を挙げておきます。
- 肺(呼吸器)を弛めると共に、体温調節の急所である背骨(肩甲骨真ん中の高さ)も弛める体操
- つまり末梢まで熱を送り届ける働きと、体温を調整する機能の両側から冷え性を改善できる
- また肺が緩むということは、夏の猛暑はもちろん、冬の寒さにも対応しやすい体をつくれるということである
腰回りが冷えやすい、生理や婦人科系の症状を伴う場合は “仙骨の呼吸法” で改善を

女性に多い冷え性は、生理や婦人科系の症状や問題とも関連が深いです。思い当たる方は、普段から骨盤周りの血流や環境を良くしておくことが大切です。体操よりも楽にできるので、体が冷えて体操を行う元気がないときにもおすすめな “仙骨の呼吸法” を紹介します。
- うつ伏せになり、両手は体の横に楽に伸ばし、顔は向きやすい側を向く
(顔を上げたり下向きでは体に力が入ってしまう) - ゆっくり両脚を広げていき、抵抗を感じたら膝を曲げ、両足の裏を合わせる
(股関節や骨盤に余計な力が入る前に曲げてくる) - 息を吸うのに合わせ、踵をお尻に近づける
(このとき仙骨の下から上へ呼吸を通していくイメージで行う) - 息を吐くときに、踵を少し戻す
(踵同士が離れるほど大きく戻さず、軽く力を抜く程度) - 3.4を数回繰り返す
- 膝をゆっくり伸ばしていき終了する
(踵を付けたままだったり一気に脚を戻すと、せっかくヒップアップしたものが戻ってしまう)
Point
全ての動作を力を入れず行うことで、呼吸を使うところが活きてきます。そして力ではなく呼吸を使うことで、ピンポイントで目的の箇所に力を集める “整体体操” よりも効果を実感しやすい技術と言えます。また整体体操でも呼吸はとても大切であり、呼吸法で感覚をつかんでおくと整体体操もやりやすくなります。各整体体操や呼吸法には、共通したコツや注意点があります。初めての方は一度、整体体操についての記事 を参照しておいて下さい。
実際に冷えの症状が出ているときの対処方法
一応より精度を上げるために上半身と下半身に分けて解説していますが、どちらの方法であっても十分に効果が期待できます。より症状の強い方を選んだり、やってみて自分に合った方を続けるのでも大丈夫です。
“まさに今足や下半身が冷えている” ときは “趾骨間踏み” を行ったあと “足湯” を行う
手足や全身が冷えているときにも有用な方法です。

“趾骨間踏み” は心臓から最も遠い足指の血流を増加させることで、全身の血流改善が期待できる

“足湯” は腎臓系や婦人科系の問題や冷えに効果があるため、症状が出ているときは全身浴法より足に絞った “部分浴法” の方が改善が早い
Point
順番通りに両方行うのがベストですが、仕事中など足湯をする時間が無いときは、もちろん趾骨間踏みだけでも効果があります。また足湯は温浴法の一つですので、通常の入浴とは3時間以上の時間を空ける必要があります。それぞれの手順については、青文字リンクから解説している記事を開けます。
“まさに今指や上半身が冷えている” ときは “C体操” を行ったあと “肘湯” を行う

“C体操” は肋間が詰まり肺が伸縮しにくい状態を改善させ、発汗や血流を促す効果がある

“肘湯” は肋骨(肺)や循環器系統(心臓)の不調を改善させ、熱や栄養を全身に送り届ける効果がある
Point
下半身の冷えの場合と同様、順番通りで肘湯は全身浴と分けて行う必要があります。それぞれ単体で行っても高い効果が期待できるのも同じです。こちらの手順についても、青文字リンクから確認して下さい。
まとめとおすすめの書籍
まとめ
- 現代における冷え性の主な要因は、猛暑によるダメージとストレスによる影響である
- 栄養バランスについてはあまり気にする必要はなく食べたいものを食べれば良いが、感受性が鈍くなった現代人は食べ過ぎに注意は必要である
- 冷え性を引き起こす流れについて、血流低下と体温調節機能の狂いに分けて解説しました
- 冷え性の予防・改善方法として、良い汗のかき方と夏の過ごし方から解説しました
- 同じく“胸骨体操” と “仙骨の呼吸法” を紹介しました
- 実際に冷えの症状があるときの対処法を、上半身と下半身に分けて解説しました
- 下半身の冷え対策として、“趾骨間踏み” と “足湯” を紹介しました
- 下半身の冷え対策として、“C体操” と “肘湯” を紹介しました
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