万病の元と言われるストレス。どうしても原因を取り除けない時の対処法やストレスに強い体をつくる方法を解説

症状改善
この記事を読むメリット

もちろんストレスの原因を取り除けるのであれば、それに越したことはありません。しかし現代のストレス社会においては容易ではありません。この記事を読めば、ストレスによる症状の改善方法を知ることができます。更には体を弛めて余力をつけることで、ストレスに強い弾力に富んだ体をつくる方法が分かります。

ストレスに対する一般的な認識

イメージしやすいように、一般的にはストレスをどのようにとらえているか、紹介しておきます。

ストレスは、自律神経系、内分泌系(ホルモン)、免疫系などを介して、身体の反応として現れます。もし、ストレスが慢性的に、強く作用しつづけると、これらの反応が持続することとなり、身体の各部に器質的あるいは機能的な障害を引き起こします。このような状態を心身症と呼んでいます。心身症には、頭痛、高血圧、狭心症、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、高血糖・糖尿病、気管支喘息、関節リウマチ、甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)、皮膚炎などがあります。過敏性腸症候群では、下痢や便秘などの便通異常、おなかが張った感じ、吐き気、腹痛などの消化器症状が見られます。

心身症の治療では、身体の器質的あるいは機能的障害を改善するための薬物治療、自律神経系などの機能を高めるためのリラクゼーションや運動、生活習慣の改善、それからストレスそのものを和らげるための環境調整や精神療法などが有効です。

            ※京都府精神保健福祉総合センターHP 心の健康のためのサービスガイドより抜粋

ストレスに対する整体的な認識

ストレスの影響は、はっきりと体の特徴として現れる

上記のように一般的にも、ストレスは多くの症状や病気に関わっているとされていますが、多くの体を読み解いてきた整体では更に多くの症状と関係していることが分かっています。そしてそれらは、決して予測や想像によるものではなく、しっかりと体の特徴として現れています。

更に整体では、猛暑のダメージや食べ過ぎによる負担なども、ストレスと同じようにあらゆる病気や症状の原因となっていることが分かっています。逆に言えば、その人の病名や検査結果を聞かされたとしても、結局は全身を読み解いて原因を突き止めることが必要になります。もし先入観で、相手の訴える症状、病院や検査結果で指摘された箇所だけの確認で済ませてしまえば、真の原因を見落としてしまいます。それでは根本的な改善は見込めません。整体が病名を追わない理由はそこにあります。

ストレスの多様化

ではなぜ、ストレスによる症状が増えているのでしょうか。

  • 元々近年は、ストレス社会と言われてきた
  • 現代は、異常気象やSNS普及により、新たなストレスが発生している
  • コロナウイルス感染症やリモートワークによるストレスも大きい

Point

異常気象によるストレスは、体温を超える猛暑による影響が最も深刻ですが、気圧の変動による負担も大きいです。詳しくは 異常気象や猛暑についての記事 を参照して下さい。

またパソコンやスマホの普及やコロナ渦でのリモートワークでは偏った姿勢による体へのストレスが大きいですが、簡単に情報を得られることで知らなくてよっかた情報を目にしたり、SNS上の人間関係による心理的なストレスも大きいといえます。

ストレスが症状を引き起こす流れ

ストレスにより、前屈傾向になる

  • パソコン作業やスマホ操作、リモートワークによる姿勢の悪化
  • 精神的なストレスにより、肩を前に落とした姿勢
肉体的なストレス、精神的ストレス、いづれにしても背中を丸めた猫背のような姿勢が思い浮かぶのではないでしょうか。

前屈傾向による体への影響

  • 肋骨が圧迫されて硬くなり、呼吸が制限される ➡ 呼吸の働き低下
  • 腋窩や肋間を走るリンパの流れが悪くなる ➡ 免疫力の低下
  • 前傾姿勢により心臓が圧迫される ➡ 循環器の働き低下
この段階だけでも既に、呼吸器内科・外科、循環器内科・外科が扱うさまざまな症状に対してストレスが影響している可能性があることが分かります。

ストレスによる症状は、先ず胃腸に出やすい

呼吸器や循環器への負担は酷くならないと気づきにくいため、自覚症状として多いのは胃腸の違和感かと思われます。以下のことからも、ストレスというと胃腸の症状をイメージする人が多いのではないでしょうか。

  1. ストレスにより、胃をキリキリさせたり、下痢や腹痛を起こす人が多い
  2. ストレスの発散方法として、暴飲暴食をする人が多い
  3. ストレスで肋骨(肺)が下がると不安になるので、胃に物を詰めて肋骨を持ち上げようとする
整体では胃腸の症状を出しやすい人を “胃腸が弱い” というよりも “胃腸に負担を掛けている” という言い方をします。なぜなら 2.3のように、何か負担があったときに、胃腸で支えるタイプの体であるともいえるからです。詳しくは 胃腸についての記事 を参照して下さい。

ストレスが胃腸に影響する流れ

  • 前屈姿勢が、胃と神経的に関係している胸椎6番目の椎骨を硬直させることで胃の働きが低下する
  • 前屈姿勢が、直接胃腸を圧迫することで、胃腸の動きが悪くなる

Point

神経を介しての胃の働き低下には、消化液の問題だけでなく、胃酸から胃を守る粘液の分泌なども低下します。
またストレスがかかると下痢をすることがありますが、出来るだけ負担を減らそうとする体の正常な反応の一つです。

“癇癪玉(かんしゃくだま)” は実在する

胃に負担掛かり、胃の付近を硬くしている状態が続くと、やがて硬い塊をつくります。その丸い塊が “癇癪玉” です。実際に整体には、この癇癪玉を優しく撫でるようにして、小さくしていく技術があります。

胃の負担を放置すると、肝臓に影響する

  1. 胃も肝臓も消化器の一つなので、胃の働き低下分を肝臓の働きでカバーする
  2. 胃の箇所(=右季肋部) にできた癇癪玉が酷くなると、左季肋部に移動してそこにある肝臓に負担をかける

Point

このように胃から肝臓への波及も、1.臓器同士が連携して働いていることによる影響と、(左側の負担を右側で支えるという)2.体の力学的な影響というように一つのルートだけではありません。そして整体が決して部分部分で体を診ない理由は、体は複雑に連携し合って働いており、切り離して対応することは出来ないからです。

前述した呼吸器と循環器の問題に加え、ストレスの影響は消化器内科・外科(胃だけでなく肝臓も)の範囲も巻き込んでいくことが分かります。それだけでなく、肝臓の働きの一つである解毒作用の低下は、排泄機能を持つ腎臓が余分に働くことで補っていくことになります。

季肋部の硬直が前屈傾向を悪化させる

季肋部が硬直すると、胸を張った良い姿勢も出来なくなり、さらに肋骨(肺)に負担を掛けて悪循環に陥ります。

ストレスの影響が出ているかの判断方法

記事をここまで読んでくると何となく想像できると思いますが、簡単にまとめておきます。

  1. からだが猫背や前傾姿勢になっていないか
  2. 呼吸が浅くなっていないか
  3. 左右の季肋部エリアが、硬くなっていないか
  4. 左の季肋部エリアに、癇癪玉と呼ばれる、丸い塊はないか

Point

1➡2➡3➡4 の順に進行することもあれば、先に季肋部に出てから呼吸がしにくくなる流れもあります。

呼吸の深さでストレスの掛かり具合を判断する

  • ストレスで肋骨が硬くなると、肺の伸縮がスムーズにできなくなる
  • 或いは季肋部が硬くなると、おなかの方まで呼吸が入らなくな
  • どちらも肺が膨らむのを邪魔することで、呼吸が浅くなる原因になる

Point

イラストは極端ですが、肋骨が全体的に硬くなってしまうと、肩で呼吸するしかなくなります。そこまで酷くない場合は、おへその下に手のひらをあてて、呼吸がそこまで入るかどうかで判断できます。

季肋部の詰まり・硬さでストレスの掛かり具合を判断する

  • “癇癪玉”が分からなければ、季肋部の硬さで判断できる
  • 季肋部の硬さでも難しければ、お腹との境にある肋骨の下面に指がスムーズに入るかどうかで判断できる
  • 季肋部も分かりにくければ、上腹部の硬さで良い

ストレスによる影響を改善し、ストレスに強い体をつくる方法

ストレスの原因を無くすのが最良だが、整体には対処方法もしっかりある

  • ここまで、ストレスによる影響が、とても多岐に渡ることを解説してきた
  • しかし決して “ストレスは怖いから原因を取り除くしかない” と伝えたいわけではない
  • 体は影響し合って働いているので負担も波及していくが、症状を改善させる “良い刺激” も波及させることができる
ここで言う “良い刺激” とは、体の要求に沿った刺激ということです。強引な力であれば、一時的にその箇所だけが改善することはあっても、他からの影響で直ぐに戻ってしまいます。

ハの字の肋骨挙上体操で、季肋部を弛める

肋骨を持ち上げて季肋部のスペースをつくり、胃や肝臓が働きやすい環境にしていきます。肺も弛むことで、ストレスにも強くなります。

  1. 膝立ちになり、膝は肩幅くらい、足を近づけて下半身を安定させる
  2. 親指以外の4本を、一番下の肋骨のふちに大きく当てる
    (指に力を入れないことが大切)
  3. からだを前に倒しながら、指を肋骨のふちに入れていく
    (指の第一関節=一番指先側の関節まで入れば十分)
  4. 指をふちに引っ掛けたまま、ゆっくりからだを起こしてくる
  5. 1~2呼吸キープして、力をぬく
  6. 以上を2~3回繰り返す

Point

この体操が必要な人=季肋部が硬い人 ほど指が入りにくいですが、それを力ずくでやってしまうと逆効果です。硬い人は肋骨のふち自体が分かりにくいので、とにかく大きく指を当て、体を倒すに連れて自然と指が入る感覚が大切です。倒しても入っていかないときは、指に力を入れる前に、先ず倒し方を変えてやってみましょう。
また整体体操には、共通したコツや注意点がありますので、初めての方は 整体体操についての記事 を一度参照しておいて下さい。なお参照元書籍は、記事の最後で紹介しています。

胸椎9番の体操で、肝臓の働きを改善させる

  • ㇵの字の肋骨挙上体操をやろうとしても、右の季肋部が詰まり過ぎて指が入らない
  • ㇵの字の肋骨挙上体操をやっても、右の季肋部が緩まない

このような場合は “胸椎9番の体操” で、肝臓に絞って弛めてみましょう。手順は体操名(青文字リンク) 先の記事で解説しています。布団の上など寝た状態でも出来るので、もちろん(ㇵの字の肋骨挙上ではなく)こちらの体操をメインに行うのでも大丈夫です。

胃腸の症状が強く出ている場合は、先ず複合体操で改善させる

  • 胃腸の症状がメインの場合
  • 胃腸の症状が強く出ている場合
  • ストレスで食べ過ぎてしまた場合

などは、先ず “食べ過ぎ体操” で胃腸の症状を改善させましょう。こちらの手順は、青文字リンクからお願いします。“先ずは” と書きましたが、上手に行えばこの体操一つで肺や肝臓も含めて改善させることも可能です。

蒸しタオル法で季肋部を弛める

  • 胃の症状が強く出ているなら、左の季肋部
  • 胃腸の痛みや違和感があるなら、症状の箇所
  • その他、ストレスが原因と思われる不調では、右季肋部

に蒸しタオルを当てます。症状が強くて体操をやる気が起きない場合は、取り敢えず蒸しタオル法単体でも大丈夫です。体操ができるなら、先に体操をしてから蒸しタオル法を行うと効果が高いです。

Point

蒸しタオル法は、簡便でとても効果が高い技術ですが、やり方を間違えると効果が半減したり、ほとんど効果が無くなってしまうこともあります。初めての方は一度 “蒸しタオル法についての記事” を参照しておいて下さい。

癇癪玉をゆるめることでストレスの影響を直接軽減させる

自分で毎日や定期的に季肋部を触っていると、硬さや癇癪玉の存在などが分かるようになります。もし見つけたら、癇癪玉をゆるめる技術 で弛めてみましょう。

  1. 仰向けになり、全身がゆるんだ状態で始める
  2. 右手のひら全体を、左の季肋部に当てる
  3. 親指以外の4本指で、丸い塊を感じる
  4. 右手で塊を捉えたら、左手で軽く圧を掛けて塊をより感じる
  5. ヘソの方をイメージで転がしていく
    (このときも左手で動かす)
  6. 最後はへその方に向けて2~3呼吸キープして終える

Point

季肋部はとても感受性が高い場所です。力を込めたり、長時間行うと、逆に悪化させてしまいます。“小さくなーれ” と気を込めるくらいで十分です。整体で体を弛めて感受性が出てくると『これ以上は嫌だな』というのを感じられるようになります。他人に行う場合は止め時が難しいので、先ずは自分でやってみましょう。

まとめとおすすめの書籍

まとめ

  • ストレスによる負担は、からだの前屈(猫背)傾向から肋骨の硬直を招き、肺の働きを低下させる
  • 更には胸郭内にある心臓や、肋骨下部で囲まれた上腹部が圧迫されて、心臓や肝臓、胃腸系にも負担がかかる
  • 各器官への影響は、背骨を介した神経を経由しても波及していく
  • 多いのは、ストレスに敏感な胃(左季肋部) ➡ 胃の負担を支え、力学的にも関係する肝臓(右季肋部) ➡ 更に前屈傾向が強まる という流れである
  • ストレスの有無や度合いは癇癪玉の存在や季肋部の状態で判断できると同時に、それらを改善させることで症状改善やストレスに強いからだをつくることもできる
  • 季肋部全体を弛める方法として、ㇵの字の肋骨挙上体操を紹介・解説しました
  • 肝臓を弛める方法として胸椎9番の体操や蒸しタオル法を、胃腸を弛める体操として食べ過ぎ体操を紹介しました
  • ストレスの影響を直接改善させる方法として、癇癪玉を弛める技術を紹介・解説しました

おすすめの書籍

  • お腹をさわれば全身が変わる! 人体力学
    一冊目は整体の真髄の一つである、おなかについてまとめた一冊であり、記事で解説した季肋部の特徴や癇癪玉についても紹介されています。記事で紹介した食べ過ぎ体操は、より進化した複合体操として解説されています。
  • 失われた体の力がよみがえる 免疫力学
    こちらは免疫についてまとめられた一冊です。ストレスは免疫とも関連が深く、免疫と関連したさまざまな症状の原因から改善方法まで解説されています。こちらでも食べ過ぎ体操は進化版の複合体操として載っています。
  • 痛み、疲れは「動いて」消す! 人体力学
    こちらの書籍では、ストレスの種類ごとの対処法や、その人の体のクセによってどのようにストレスが掛かるのかから改善方法まで解説されています。その他にも色々な症状についても解説されており、手元に置いておきたい一冊です。

学べる施設

井本整体 HP “人体力学”を提唱している、本物の整体を学べる場所です。がっつり学ぶだけでなく、まずは整体に軽く触れてみたい方、自分に合った体操をオーダーメイドしてもらいたい方など、いろいろな講座が用意されています。メルマガやオンライン講座なども用意されていますので、一度ホームページを覗いてみてください。

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