脳梗塞に限らず、脳出血など、いわゆる脳卒中が疑われた場合は、とにかく一刻も早く救急要請を行うこと、色々な意味で現代ではこれが大原則になります。医師会のHPにも以下のように記載があります。
昔は「脳卒中が起き た場所にそのまま寝かせておきなさい、動かしてはいけない」というように安静が重要視されていましたが、現在はまず安全を確保し、できるだけ早く救急車に よる搬送と急性期治療が必要です。
脳梗塞という症状を通して、整体の貴重な知恵に触れることができます。人の体と向き合い続けている整体だからこそ得ることができた脳梗塞の対処方法やその後の改善方法などを解説していきます。もちろん医療機関を受診し医師の判断を仰ぐことが現代では大前提ですが、その知恵は必ずその後のケアや他の不調時などあらゆることに役立つものです。
現代の大前提
“この記事を読んだために救急要請が遅れた” などということが無いように、先ずげ脳梗塞が疑われる症状や対応方法などを、医療系HPより紹介しておきます。
主な症状としては、左右どちらか半身の手足や顔がしびれたり動かしづらい、ふらつく(歩きづらい、めまいがする)、嘔吐する、しゃべりづらい(ろれつがまわらない、言葉が出てこない)、他人の言うことがわからない、物が見えにくかったり二重に見える、などがある。これらの症状が1つだけ出る場合と、複数出る場合とがある。突然症状が出るケースがほとんどで、場合によっては一時的に治まることもある。ただし、時間が経つと悪化することが多いので注意が必要。脳梗塞は早期に受診できるかが大きな鍵となるので、症状が出た時点で早急に医療機関へ行くことが何よりも重要。
Doctors File HPより抜粋
脳梗塞の治療では2005年にt-PAという薬が登場し、それまでの治療から大きく進歩しました。…t-PAによる治療は、脳梗塞が発症してから4時間半以内に行わなければなりません。脳梗塞を発症してから4時間半を過ぎた場合でも、8時間以内であれば血管内治療を行うことができます。血管内治療はt-PAが受けられない場合や、太い血管に大きな血栓が詰まっていてt-PAの効果が得られにくい場合などに行われます。
NHK HPより抜粋
Point
このように医療の進歩により、発症から病院に掛かるまでの時間が短ければ短いほど有効な治療があります。これがどうしたら良いか悩んだり救急車を呼ぶか迷ったりせずに、一刻も早く救急要請をするべきとされている理由になります。
脳梗塞が疑われたら(発症時の整体的ポイント)
動かず、横になり休む
医師会HPから紹介したように、病院でも今ほど積極的な治療法が無かったときは、動かさずそのまま寝かせておくようにとされていました。整体でも発症時の対応としては、動かない(動かさない)ことに注意します。
刺激を避ける
- 暑さ・寒さ
- 光・音・振動
Point
テレビやラジオなどはもちろんですが、市街地であればなるべく騒音や雑踏を避けるようにします。布団や床に寝ているのであれば、周りの人の歩く振動にも注意します。周りが慌ててしまうのは当然ですが、本人の近くでは騒がしくバタバタしないようい注意が必要です。
熱中症の時期は水分摂取と、内外から体を冷やす
- 以前は脳梗塞と言えば冬が多かったが、近年は猛暑の影響で脳梗塞を引き起こすことも多い
- 水分不足が原因の場合、スポーツドリンクなど塩気がある飲み物でないと体が吸収しない
- 体が熱を持っている場合、冷房に入り外から冷やすことはもちろん、冷えた飲み物で体の中からも冷やさないと間に合わない
“動かない” “動かせない”ことを認識させない
- 『○○を動かせますか?』『動きませんね』となったらアウト
- 一度 “動かせない” ということが意識に刷り込まれてしまうと、それが定着してしまう
- 動く動かないを確かめるのではなく、動くものとして接する
Point
ここでお気づきの方も多いかと思いますが、現代においてこのような対処は限りなく不可能に近いです。何故なら『○○の症状が出たら脳梗塞の可能性があるので一刻も早く病院に掛からないと一生麻痺が残ります』などの情報にさらされていない人は居ないからです。そのような環境では例え病院で医師に脳梗塞との診断を受けなくても、周りの人や自分から潜在意識に『動かせなくなる』と刷り込んでしまうでしょう。当ブログでもしつこく救急受診を勧める理由はそこにあります。『病院に掛からないと大事になる』と言われている中では、やはり医療機関を受診することが最も安心感につながるということです。
それでも実際に体には大きな回復力があり、信頼を置く相手の何気ない一言が想像以上に影響することもまた事実です。
脳梗塞の予防方法
症状が落ち着いたら、再発しないように注意します。また近年では猛暑の影響で急に発症することもありますので予防について知っていて損はありません。
首や肩周りの硬直などの症状に注意する
- 頭部には生命活動に直接関わるような、大切な器官が多数存在する
- よって体に何か問題が生じても、なるべく首から上にあげないようになっている
- 肩こりが多いのは、ある意味、首から上を守っているとも言える
- ということは、肩に問題が出てきたら注意が必要ということである
- 逆にいうと、肩周りが緩んでいれば、頭の問題は回避できる
Point
最後の項目についてもう少し詳しく説明しておきます。体を部分ではなく全体として捉える整体では、肩を緩ませながら、同時に肩を硬くさせた大元の原因まで改善させることが出来ます。それは整体の技術がすごいというよりも、体の要求に逆らわず行うことで、体の方が勝手に必要な所に響かせてくれるからです。
強引に肩を揉んだりボキボキやって、症状をごまかしたりすることは、逆に頭へ影響させてしまう恐れがありますので注意が必要です。整体に慣れない方でもリスクなく緩めるには後述する蒸しタオル法がおすすめです。
首や肩周りの硬直が起こる原因
- 猛暑による体へのダメージ
- 急激な気圧や気温の変動
- 食べ過ぎ
- 腕の使い過ぎ(パソコンやスマホ操作などの指先作業含む)
- 過度なストレス
頭の問題に限らず、現代人の不調を引き起こす原因の多くはこれらになります。以上を踏まえ、予防方法を解説していきます。
猛暑を上手に乗り切る
- 異常気象の現代ではとても重要なことである
- 冬も心臓の問題からくる脳梗塞が多いが、これに関しても夏のダメージがあるとリスクが上がる
- 夏のダメージを抑えるには、冷房を上手く使い、お風呂で汗をかくことが大切
- 特に就寝中は、除湿もしっかりして体を蒸らさないようにする
Point
汗をかく効用には、呼吸器(肺)を緩めて暑さから身を守るだけでなく、水分調整機能を整える働きもあります。詳しくは 汗についての記事 を参照してください。
食べ過ぎには注意する
- 人によっては、茶碗半分の量でも食べ過ぎになることがある
- 適量であっても、寝る前の食事は負担が多い
- 猛暑のダメージなど、他の問題と重なることで大きな症状を引き起こすことがある
- 食べ過ぎてしまったら、“食べ過ぎ体操” で体を緩めておく
Point
こちらに関しても 食べ過ぎについての記事 がありますので、詳しくはそちらを参照してください。
急激な気圧や気温の変化に注意する
- 冬場は脱衣所を温めておく
- 気圧や気温の変動で頭痛などがあるときは、早めに対処する
- 症状がある場合は、蒸しタオル法がおすすめ
蒸しタオル法
蒸しタオルは症状のある個所に当てるか、首から上の症状で場所がはっきりしないときは後頭部と首の付け根辺りに当てます。蒸しタオル法はとても簡便で効果が高い技術ですが、やり方を間違えると効果が半減したり、殆ど無くなってしまうこともあります。初めての方は一度 蒸しタオル法についてまとめた記事 を参照して下さい。
脳梗塞からの回復方法
とにかく動く
- 動く側を動かす、動く所を動かす
- どんどん動かしていると、動かない側(ところ)も動くようになる
歩くなら、後ろ歩きが良い
- 前に歩くより難しいが、何かにつかまっても良いので後ろ歩きの方が良い
- 前の何かにつかまって、少し足幅をとり、左右交互に踏み込むのも良い
Point
“リハビリ”として行うより、生活の一部に取り入れることが大切です。
周りの人は
- 物を渡すときは、動かない方に “パッと” 渡してみる
- 手伝わない
Point
“動かせない” と潜在意識にまで刷り込まれてしまったものを変えるには、不意を衝くようなことが効果的です。
体の中心を動かすのが先
『何を今さら』『インナーマッスルとかよく聞くよ』という人が大半かと思われますが、整体には以下のような体の読み方や極意があります。
- 例え体の末端を酷使した影響であっても、先ず体の中心を狂わせて、そこから末端へ波及していく
- 体を(良い状態に)変えるには、体の末端を使った方が効果が高い
- しかし脳梗塞による麻痺など、重大な障害が生じたときは、体の中心を動かすことが先である
上下捻じれの体操(簡易バージョン)で脳梗塞の症状を改善させる
脳梗塞の症状改善におすすめな体操もいくつかありますが、比較的行い易い “上下捻じれの体操” を紹介しておきます。理想は脳梗塞に至った原因やその人の体質に合わせた体操を選択し、同じ体操でもオーダーメイドが必要なことも多いですが、はっきりと脳梗塞による症状が出ているのであれば、とにかく実践することが第一です。多少ズレていても、ある程度までの改善は十分見込まれるように、整体体操は設計されています。体操の精度を上げていくのは脳梗塞の症状が改善してきてからで十分です。
- 仰向けになる
(真っすぐ仰向けになれなければ傾いていてもOK) - 両腕を挙上する
(スッと上がる側があるなら、少し指先側に伸ばしながら上げる。上がらない時は肘が曲がった状態でも良いので、上がる所まででOK) - 右手と右足で引き合う
(先ず手を指先方向、無理なら肘や肩などで伸ばし、キープしたまま足を伸ばす。手側が伸ばしにくければ、足側を先に伸ばしてもOK) - 数呼吸キープし、“ポン” と力を抜く
- 次に左手と左足で引き合う
- 右手と左足で、斜めに引き合う
- 左手と右足で、斜めに引き合う
- 2セット目は、少しスピードを上げて行う
Point
通常は、1セット行った後に一番伸びにくかった組み合わせを追加して伸ばし、最後は “ポン”と力を抜かずにゆっくり緩めるような流れになります。しかし脳梗塞の症状があるような場合は、体の動きを邪魔している箇所をピンポイントで狙うというようりも、“動かない” という呪縛から解き放つことが先です。スピードを上げることで、動く側と動かない側のすり替えが起こり、つい動かしてしまいます。この体操について解説されている書籍を紹介しておきます。
まとめ
- 脳梗塞などの脳の症状が疑われた場合、現代では医療施設受診が原則である
- 昔は治った症状でも、“病院に掛からないと治らなくなる” というイメージが強い現代では、病院に掛からない選択は難しい
- 昔は脳梗塞が疑われた場合、動かさないようにと言われていたが、整体的にも横になって休み、暑さ寒さや、音や光、振動などの刺激を避ける事を大切にする
- 医師など信頼している人に 『動かせますか?』→『動かせませんね』とされてしまうと潜在意識に根付いてしまい、回復が難しくなる。情報化の現代では、医師に言われなくても思い込んでしまうことも多い
- 以前は脳梗塞は冬に多かったが、猛暑の影響で夏の脳梗塞が増えている。更に整体で体を読み解くと、夏の負担が冬の体にも影響し、冬の脳梗塞の一因にもなっていることが分かる
- 症状の回復には、動かせるところをどんどん動かしていると、いつの間にか動かせなかったとことも動くようになる
- リハビリというやり方より、生活の中で動く方が良い
- 歩く練習であれば、後ろ歩きが良い。前の何かにつかまり、左右に踏み込むのも良い
- 周りの人はなるべく手を貸さず、何か物を渡すときは、動かない側にフッと渡すなどすると思わず動かしてしまう
- 整体の極意の一つに、体を変えるには末梢を使うと効果が高いということがあるが、脳梗塞の症状のような大きなつかえがあるときは、中枢を動かすのが先
- 中枢から改善させる方法として、上下捻じれの体操を紹介しました
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