“整体” 自体がそうであるように、“整体体操” もまた、数少ない “本物” が数多ある “偽物” に紛れ込んでいる状態です。整体そのものの数ほどではないですが、それでも一生のうち一度でも本物に出会える人の方が稀です。
“整体技術編” はこちらです
世にたくさん存在する整体体操と名乗るものの中から、一握りの本物の “整体体操” を見分ける方法を知ることができます。そして本物である特徴やその根拠に触れていくことで、自然と整体の考え方や技術に対する理解も深まります。それだけでも体や健康に対して、180度違った見方が出来ます。
本物の整体体操の成り立ち
元々は、整体の施術を行っていると、人々はそれに頼り切りになってしまうため “自分の健康は自分で保つべき” という考えから始まりました。
更に現代では人の体が急激に弱く、鈍くなってきたため、施術だけでは体が変化しなくなってきたことも整体体操が必要とされてきた背景の一つです。では何故人の体が短期間で弱く、鈍くなってきているのでしょうか? 理由を挙げていきます。
人の体の治癒力が下がっている(施術+体操の複雑化が必要な)理由
自分の体の声を聞かなくなった
現代人は自分の体の要求よりも、テレビやネットなどに溢れる情報や、頭で考えたことを優先するようになりました。それにより、今の自分に何がどのくらい必要なのか感じ取れなくなってきています。例を挙げておきます。
- 体温を上げる必要のない夏場は、食欲が落ちるべきなのに、無理に食べて体を壊す
- 風邪の回復期は食欲が出るまで栄養が邪魔になるのに、無理に栄養を入れてしまう
- 水しか口にしたくないときは、水からあらゆる必要な栄養を得るものである
- 情報番組で不安を煽られれば軽い症状でも救急車を呼び、安易な夜の救急受診が良くないと言われれば手遅れになるまで我慢してしまう
- 痒いなら掻けば流れが良くなるのに、掻かないから症状が進行して痛みに発展してしまう
外から加えることをし過ぎるようになった
現代の日本人は、吸収よりも排泄が上手くいかず症状を出す人が圧倒的に多いです。それなのに一般的には、体に何か加えること症状を抑えようとするため、改善しても別の問題が生じてしまいます。こちらも例を挙げておきます。
- 自分に今必要な栄養は体が教えてくれるのに、平均化され季節も考慮されないバランス値などを意識するあまり栄養過多で体を壊す
- サプリメントや点滴なども、栄養過多の原因になる
- 胃腸や消化器を休ませるために体があえて食欲を落としているのに、“栄養をつけなきゃ” と頭で判断して食べることで腸に負担をかける
- 戦後の食糧難の時代は小腸病変(栄養吸収の問題)が多かったが、今は大腸病変(排泄の問題)が多い
- 排泄の問題で症状を出すことが多いのに、薬で解決しようすると次は薬の毒素成分の排泄に苦慮するというイタチごっこをしながら悪化していく
- 抗生剤多用による免疫機能の低下とウィルスの強化
Point
外から加えることは、体の機能低下や能力退化の原因にもなります。なので体の潜在能力を大切にする整体は “引き算の技術” とも言えます。 足らなければ体は何とかしようと、普段出さない能力を発揮します。
風邪を引き、熱を出すことが少なくなった
体を強く、敏感に、健康に保つには、何といっても熱を出すことが一番です。
“待つ” ということが出来なくなった
例えば熱が出た時も、じたばたせずに “経過を見守る” ことが大切です。熱の経過で最も大切なのは、熱が出ている時ではなく、下がった後です。現代人はここの休息をケチるので、せっかく体が熱を出しても効果がほとんど無くなっているのです。詳細は風邪や熱についてまとめた記事を参考にしてください。
また待つということをしないと、“間” に対しても鈍くなります。上でも少し触れましたが、症状を出したときに救急車を呼ぶべきか、待つべきか、そういう事も分からなくなります。『少し様子をみましょう』と言うと、大事になるまでまってしまうのもこのタイプです。
本物の整体体操の特徴
力を集める的がはっきりしている
以前、この記事で紹介している整体指導者(A)と、整体以外の指導者(B)と共同で、肋骨を緩める体操の実演をした時の話です。(B)がモデルさんで体操を誘導した後に、
- (A)『今のは何枚目の肋骨を狙ったのですか?』
- (B)『…肋骨全体的に…』
- (A)『この方は〇枚目と〇枚目の肋骨の間が詰まっているのが原因で右の肋骨の働きが悪くなっているので、このルートで腕を挙げていって…そうすると詰まった所に力がこう集まります』
というように精度が全く違います。もちろん本を読むだけで、一般の方がこんな難しいことをやらなければならないということではありません。
Point
ここまで高い技術の中で、考えに考えつくされて生み出された、高精度な体操であるということです。原理原則を知らなくても、自然と必要な箇所に集まるように設計されていますので安心してください。
力を “一点” に集め、数呼吸で終える
“脇全体をずーっと伸ばして” とか、“左右2回ずつ”、“そのポーズのまま静止して―” などではなく、例えば “このような腕を動きをすれば、自然と胸椎5番目の骨に力が集まります。肩甲骨の内側がグーッと硬くなる感じがしたら、3呼吸分耐えて―力を抜きます” という感じです。
力を抜いたあとの余韻が一番大切
体操の種類にもよりますが、体の硬い所を緩める体操を例に上げて解説していきます。“生きた体” というのは、硬いからと揉めば反発でより硬くなろうとして硬直していきます。これを踏まえ整体では、硬いところは更に硬くすることで、反発して緩む性質を利用していきます。
- 数呼吸耐えて体が『もうこれ以上硬くなれないよー』というところで力を抜くと
- 体が『ふー、やれやれ』と脱力するとともに、硬い所に呼吸が入り
- それから呼吸と共に、硬かったところがずーっと緩んでいく
- 同時に、元の原因となるところや、関連するところにも刺激がとんで改善していく
- 最後は、下腹まで呼吸が入ることで、緩んだ状態が固定される
何回も行わず、数分で終える
慣れないうちは集まる感じがあるまで複数回行いますが、しっかり集まったなら、基本1回で終えます。同じ体操でも複数の体操でも、何度も行うと効果が薄れます。なので練習でなければ、朝晩数分ずつで終えるのが通常です。
Point
このように、ピンポイントで狙いを定める、とても効果の高い体操になります。長くても数十秒の体操ですが、一度しっかり決めてしまうと、体がしっかり緩み、自然と2回目をやる気力が起きなくなります。
整体体操の選択方法
後日追記
当初はブログの記事数も少なく、体操の選択含め書籍の紹介のみでしたが、少しずつ記事を増やし症状に合った体操なども解説出来てきています。先ず当ブログで紹介した中から、初心者におすすめの体操を紹介しておきます。
- 本物の整体体操が効く原理の一端を、簡単に実感したいなら 足首回し がおすすめ
- 大病や難治性の持病があったり、マッサージや過度な筋トレ、薬の多用などで体操の微妙な感覚がつかめない人には 食べ過ぎ体操 がおすすめ
本物の整体体操の探し方
“整体” という言葉と同様、“整体体操” も、だれでも簡単に使用できてしまうため、先ずここで注意が必要です。一番間違いが無いのは、“人体力学体操” という名前のついている整体体操ですが、こちらも古い書籍では普通に“整体体操” となっているので、著者:井本邦昭 を目安にしてください。
体操の選択方法
次に、本物の中から、体操を選ぶ方法です。
- 症状に合った体操を選ぶ
- 自分の体質に合った体操を選ぶ
- 性別、年齢によって選ぶ
- 目的によって選ぶ
今や、上で述べた本物の整体体操だけでも、その数は数十に及びます。何か症状のある方は、症状に合った体操がを選ぶことになります。女性であれば、生理の周期や、年齢ごとに適した体操がありますし、部分痩せなどの美容体操もあります。
自分に合った体操の探し方 ― 書籍で探す
こちらのブログでも、その時の記事内容に合った書籍を毎回紹介していますが、初心者の方であれば、最近の書籍の方が写真やイラストも多く、入りやすいと思います。いくつか紹介しておきます。
自分に合った体操の探し方 ― 直接教えてもらう
大切なこと
書籍のレビューで、『体操の数が少なく、内容が薄い』などと書かれていることがあります。筆者が整体の書籍に出会った当初は、白黒で写真も少なく、体操の数も数種類だけでした。それでも一生懸命体操をしていると、“リンパ体操” という体操で、二十年続いた酷い花粉症が治りました。
冒頭でも軽く触れたように、一昔前は、人の体はもっと素直で、いくつかの体操で事足りました。しかし、人は、自分のからだからの声よりも周りの情報を信じるようになり、感受性を失い、体の治癒力より外からの治療を優先させることで、自然回復力も減少しました。そのように、弱く、複雑化してしまった人のからだに合わせるように、体操の数も増えているのです。
本来は、一つ極めていれば、あらゆる症状に合わせられる、奥の深い体操なのです。それを、表面をなぞっただけで、沢山の体操の手順を覚えれば有用であると思ってしまうこと自体が、今人類が選んできたことの結果なのだと寂しさを感じます。情報を集め頭で考えるだけでは、体と向き合えません。自分の体を本気で信じ、全力で感じることが大切です。
整体体操の流れ
各体操の手順は書籍に譲るとして、共通したポイントを挙げておきます。
軽く腰を入れてから始める
人間は腰に力が集まっているのが理想です。
- 体操自体を安定して行うため
- 目的以外のところに無駄な力を入れないため
- 最終的に、腰に力を戻すため
なので少し腰を反るようにして、腰に力を入れた状態で始めます。特に2.で首に力を入れてしまうと、体操の効果が出ないどころか、首や頭の問題まで出てしまう恐れがあります。
Point
ただし無理に腰を反らせたり、力を入れすぎると、今度は目的の箇所に力が全く集まらなくなるので、あくまでも軽く力を入れます。
適度な速度で行う
力の移動など、体を感じながら行うことは大切ですが、整体体操は動きの中で行うことが大切です。なので、ゆっくり過ぎると集まらなくなります。逆に早すぎると小さな “引っかかり” に気づかず通り越してしまうので注意が必要です。
目的の箇所に集まったら、集まったまま数呼吸、動かず耐える
呼吸のたびに、目的の箇所に、どんどん力が集まっていくイメージを持ちます。
ゆっくり脱力する
最後に、大きな呼吸が下腹まで入れば、体操は成功となりますので、数呼吸それを見届けて終わりにします。終わったとたんに、すぐ動いたりしゃべったりすると、効果は一時的なものになってしまい持続しません。余韻を大切にします。
整体体操についてのまとめ
以上、整体体操の概要の説明になります。記事によっては各体操の手順を載せることもありますが、文章で理解するのは難しいので、写真やイラストの豊富な書籍がおススメです。一つでもマスターすれば人生の宝になるので、ぜひ自分に合った体操を見つけてください。整体施設で、一度オーダーメイドしてもらうのもおススメです。





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