以前書いた、走り方に関する記事を書きました。
記事の中で、体を整える目的で走る場合は軽い靴をオススメしたのですが、知り合いから、
と聞かれましたので、解説していきます。
裸足教育や自然派教育に対する整体的な考え方を知ることで、整体が大切にする人の “感受性” について理解を深めることができます。人は確かに生物や動物としての能力をないがしろにしがちですが、だからと言って人としての感受性を捨てるのは違います。足の感受性の育て方を交えながら解説していきます。
裸足の教育
実際に行われている、裸足の教育
実際に、外遊びを裸足で行っている保育園などもあるようです。インターネットなどで調べると、“裸足保育”とか“裸足育児”などと呼ばれており、以下のような効果が期待できるとの事です。
- 脳の発達促進
- 運動神経向上
- 筋力アップ免疫アップ
- リラックス効果、自律神経の安定
知り合いが通わせている保育園では、おむつもさせず、出してしまっても本人が訴えるまではそのまま遊ばせるそうです。外での裸足に留まらず、色々なことを自然にまかせて行う “自然派教育” というものもあるようです。
整体ではどうか?
もちろん、一時的に外で裸足になり、癒されるのは全然良いのですが、毎日裸足で外遊びをするなど、日常化するのは推奨していません。おむつをさせず、垂れ流すというのも良くないこととしています。
整体では裸足の生活を推奨しない理由
一般的には、こんなイメージでしょうか?

自然に戻って、現代人が失った自然治癒力なんかを取り戻すのって、整体的なんじゃないの?

裸足教育で足が器用になるのも、整体的には良いことなのでは?
Point
確かに現代人は大切なものを失いつつあります。しかしそれは猿人時代に求めるものではありません。生物や動物としての能力だけではなく、人間としての素晴らしさまで、とことん突き詰めるのが、整体なんです。
足裏の皮が厚く、硬くなる
一般的には、外を裸足で走り回っても大丈夫な、“強い足裏” になると歓迎されることが多いですが、整体では、“鈍い足裏” になってしまい、良くないこととみます。確かに指先まで神経が発達して器用になるかもしれません。しかし整体では物理的なことより、温度や生命を感じるような、感受性の高く柔らかな皮膚を良しとします。
人と動物の違い
人間が高度な知恵や高い感受性を得られたのには、敏感な手のひらや足の裏から、とても小さなものまで感じ取ってきたからです。確かに野生動物は、早く走ったり、木登りをしたり、バランスよく飛び移ったり、いろいろな運動能力を持っています。しかし、人間が得てきたものは、芸術やわびさびを感じたり、他人を愛し慈しみ、助け合うなど、もっともっと大きく、貴重で、大切なものばかりです。今から野生時代の感受性に戻ってやり直すくらいなら、もっと人間が成長するように、より敏感さを目指すべきだと思います。
子供のとき
特に子供のときは、いっぱい刺激を受け、心も身体も成長するときです。出来るだけ、柔らかい手のひらや足の裏で、色々なものを、敏感に感じ取りながら成長してもらいたいです。そうすると、他人の痛みなどを想像できる感受性の高い大人になれます。
裸足教育などが生まれるのにも理由がある
そもそも、なぜ裸足教育などが生まれるかというと、それだけ現代人の足が鈍くなっているからです。器用に動かせなくなり、足裏のアーチもなくなり、バランス感覚も悪くなるなど、それでは裸足教育が考えられしまうのも分かります。先ずは足が鈍くなった原因を挙げていきます。
何らかの原因で腰の働きが弱まる
腰に負担がかかり、ついには腰の力が抜けてしまいます。原因は様々ですが、よくあるパターンを挙げておきます。
- 近年の猛暑による問題で肺が下がったのを、腰で受けた
- 現代人に多い、食べ過ぎにより胃腸の疲れが、腰に出た
- 過度な運動やストレスなどで骨盤が下がったのを、腰で支えた
腰で支えられなくなったものを、下で受けていく
腰のどこが働かなくなったかで、その後のルートは変わります。股関節を経由するのか、膝に直接いくのかはそれぞれですが、最終的には足首の可動性を悪くして、足裏を硬くします。
足や指の可動性が悪くなる
腰の代わりに足で体を支えるようになると、足の指と指の間に老廃物が詰まり、器用に動かせなくなります。足裏のアーチもなくなり、バランスをとるのも難しくなります。
柔軟で感受性の高い足(裏)にしていく方法
前述のように足の問題は体の上からきているので、そちらの問題を解決する必要があります。それらをここで挙げていくのはきりがないので、それぞれの記事で解説していきたいと思います。しかし整体には、足に影響が流れたのであれば、足を調整することで、その刺激を腰などに流し根本まで変えていくという技術があります。その中から、いくつか紹介します。
足首回し
- リラックスして仰向けになり、脚は腰幅くらいに開く
- 踵を軸に足首をできるだけ遠回りさせ、ゆっくり内側にまわす
- 次は外回しで、なめらかに動かすように心がけ、遠回しにゆっくり動かす
Point
動作だけみればいわゆる足首回しですが、あまりに効果が高いので、改めて記事にまとめたいと思っています(足首回しに関する記事を作成しました) 。とにかくゆっくりと、大きく回すようにやってみて下さい。回りにくい所があったらショートカットしたり速く回して飛び越えさせたりせず、そこを重点的に回すようにします。ただし力ずくで回そうとすると足だけの体操になってしまいます。リラックスした状態で行うことで、足首を固くする原因である腰にまで響かせることが出来ます。
趾骨間(しこつかん)踏み
- 壁に片手をつき、足の甲中央辺りに、逆足の踵を置く
- 軽く踏みながら、つま先に向けて滑らせるように、踵を移動させる
- 引っかかるところがあれば踵を止め、下になる足の踵を浮かせて、そこに力を集める
Point
この体操のポイントは、上の足で圧を掛けるのではなく、下の足を浮かせることで圧を掛けるところです。前者ではだだ痛いだけで、一時的にその所だけが緩むにとどまります。後者だと根本である腰まで効果が浸透するため、効果も固定されます。更に下の足の踵を浮かせるときに、腰を軽く伸ばすようにすると、よりその効果が高まります。
上記の体操が両方とも紹介されている書籍です。豊富な写真や分かりやすいイラストで解説されています。
足湯(そくとう)
整体には “温浴法” という体を緩める技術があります。温浴法は全身浴と部分浴に分けられ、それぞれ目的や効果が異なります。今回は部分浴の一つである “足湯” を紹介します。
- 足首から下をお湯に浸けられるような、桶やたらいを用意する
(指が曲がったり窮屈でないもの) - 汗をかいても体が冷えないように、タオルや寒いときは暖房を使用する
- 数分で短時間で汗をかき始めるような、熱め(子供45~46度、大人47度~48度)のお湯を入れ、冷めたらすぐ差し湯ができるようにしておく
- くぶるしの中央まで浸かる湯量に設定し、じんわり汗をかくまで、4~6分を目安に浸ける
- 足全体が赤くていれば終了、赤くなりきらない側があれば、そちらを1~2分追加する
Point
趾骨間踏みの後に行うと、より効果が高まります。
足湯には泌尿器系や喉の症状、婦人科系や冷えの症状、風邪の経過をスムーズにする効果もあります。風邪の症状があるときは、熱湯により足の赤くなり方が左右違ってきます。赤くなりにくい側を赤くなるまで追加すると体の流れが整います。
一つ注意点があり、他の部分浴や全身浴、蒸しタオル法との併用では互いの効果を打ち消し合ってしまいます。最低でも3時間以上はあける必要があります。
※風邪の効用と足湯の関係については 風邪と熱の記事 でも詳しく解説しています
足湯の詳細が載っている書籍です
Point
サラッと紹介しており手順も簡単ですが、どれもとんでもない技術です。例えば “足首回し” では、寝て行うのも、ゆっく回すのも、大きく回すのも全て意味があり、その通り行えば股関節や腰の不調まで改善できます。
裸足を完全に否定してはいない
動物は土を求める
人間が土を求める気持ちは分かります。整体という技術をまとめ上げたといわれる野口晴哉という方は、動物が大怪我をしたときに、『土の上に寝かせると早く良くなる』と言っており、実際そのような経過をたどっています。現代人は、どうしてもそういった感性を失いがちなので、たまに裸足で自然を感じることは良いことなのかもしれません。
ただそう言われると、“自然を感じる” という前提が無くなり、“裸足はからだに良い” という情報だけが独り歩きして、自分の足の裏が硬くなるのも気づかないで裸足で歩き続けるのが現代人です。だからこそ、自分を整体にして、感受性豊かにして、自分に必要なものを感じ取れるようになって欲しいと思います。
まとめ
- 裸足教育や自然が教育が求められる背景には、現代人の足の機能低下がある
- 器用さや柔軟性だけでなく、柔らかく敏感な足裏や手のひらにすることで、心が豊かで感受性や徳の高い人になれる
- 足の問題も肺や腰からきているので、そちらも含めて対処する必要がある
- 足を調整しながら、根本まで改善する方法として、“足首回し” “趾骨間踏み” を紹介しました
- 更に入浴法の一つである、“足湯(そくとう)” を紹介しました
- 裸足で地面を感じること自体は、現代人に必要である
おススメの書籍と学べる施設
それでは最後に、動物の話の引用元となった書籍も載せておきます。整体の技術的な面ではなく、心のありかたなどに優しく触れられる本なので、“本当の整体”とはどういうものか、最初に読むのにも、かなりオススメです。




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